父から聞いた軍隊の話です。 父は昭和04年(1929)生まれで、太平洋戦争中は熱烈な軍国少年でありました。「お国のために」という一念で少年兵に志願しましたが、小児結核の病歴があったため採用はされませんでした。ちなみに当時の結核は「死病」と呼ばれ、特に小児結核の死亡率はきわめて高かったそうです。父が小児結核から生還したのは大変に運のいいことでした。 少年兵を不合格になった父は「第二志望」の少年軍属に応募しました。「軍属」とは「軍人(武官または徴集された兵)以外で軍隊に所属する者」を指します。当時の日本軍には未成年の兵隊および軍属が存在したのです。 海軍の某施設(国内)に配属された父を待っていたのは・・・大いなる幻滅でした。とにかく毎日殴られる。理由も何もなしに殴られる。父は鳶の組の長男坊に生まれ、喧嘩に関してはエキスパートといえるような少年でしたが、軍隊組織では1年上の人間は絶対的優位者で逆