今になって思えば、2010年に印象深かったことは2つあった。1つは自分の奥底にあるIT・テクノフォビアに臆することなく、便利、使えそうと思ったことにはできるだけ挑戦したこと。それは形ある物質的にはiPod touchであり、iPadであり、Scansnapだったし、手で触れない情報的にはgoogle docsやdrop boxを使ったクラウドサービスであり、書類や書籍の電子化、その蓄積と運用だった。 それで何が変わったか。紙が減った。場所ができた。それが一番大きな変化だ。あとは残念ながら特にないや。 でもこの先10年くらいの「書籍」(これまでそう呼ばれてきた)がどう変貌し、読まれていくのかについて考えるきっかけにはなった。石に文字を刻み、木簡に文字を記すことから、巻物、折本を通じ、版本から大量印刷の時代を過ぎて、いよいよ紙ではない世界に向かう。子どもとかどうやって「書籍」を認識していくのだ