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ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (468)

  • 宇宙初期の巨大ブラックホール、予想より50倍も多かった

    銀河の中心の巨大ブラックホールが宇宙初期に、従来考えられていたより50倍も多くあったことが分かった、と東京大学と国立天文台の研究グループが発表した。2022年に観測を始めた「ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡」による、120億~130億光年かなたの狭い視野のデータから、予想外に10個を発見した。巨大ブラックホールが当時さまざまなタイプの銀河にあり、急成長していたこともうかがえた。巨大ブラックホール誕生の仕組みを探る上で、重要な成果となった。 発見した10個の巨大ブラックホールの疑似カラー画像。銀河から広がる多彩な光も確認できる(米航空宇宙局=NASA、欧州宇宙機関=ESA、カナダ宇宙庁、播金優一氏ほか提供) ブラックホールは極めて強い重力を持つ超高密度の天体。一般相対性理論で、周囲の時空がゆがみ、光さえ脱出できないとされる。重い恒星が一生の終わりに大爆発を起こし収縮してできる。また、多くの銀河の

    宇宙初期の巨大ブラックホール、予想より50倍も多かった
  • 巨大ブラックホール周囲のガス、大半が成長に使われず循環と判明

    銀河の中心にある巨大ブラックホールに落ち込むガスが、実はブラックホールの成長にはほとんど使われず流れ出た後、再び落ち込んで循環していることを解明したと、国立天文台などの国際研究グループが発表した。日が主導する南米チリのアルマ望遠鏡の観測で、天の川銀河の至近にある「コンパス座銀河」を詳しく調べ、ガスの流れの仕組みを解明する中で分かった。 アルマ望遠鏡で観測したコンパス座銀河の中心部。高密度分子ガス円盤(緑色の領域)の大きさは直径約6光年ほどで、高解像度で初めて明確に捉えた(アルマ望遠鏡、泉拓磨氏ほか提供) ブラックホールは極めて強い重力を持つ超高密度の天体。一般相対性理論で、周囲の時空がゆがみ、光さえ脱出できないとされる。重い恒星が一生の終わりに大爆発を起こし収縮してできる。また、多くの銀河の中心には質量が太陽の100万倍以上の巨大ブラックホールがある。ブラックホールの質量は、周囲から落ち

    巨大ブラックホール周囲のガス、大半が成長に使われず循環と判明
    Nean
    Nean 2023/11/30
  • シマスカンク、天敵が少ないとシマ模様がなくなる? 研究

    シマスカンク(写真は米国ニューメキシコ州の野生動物センターで飼育されている個体)には、さまざまな配色や模様を持つものがいる。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC, PHOTO ARK) 米カリフォルニア州立大学ロングビーチ校の進化行動生態学者テッド・スタンコウィッチ氏は動物の警戒色を研究している。ヤドクガエルやサンゴヘビの鮮やかな体色はその好例だ。北米の大部分に生息するシマスカンクもまた、漆黒の地色に白い筋が背中で2に分かれながら頭から尾まで続くという特徴的な色彩を持つ。 スタンコウィッチ氏らは2023年9月11日付けで学術誌「Evolution」に、なぜシマスカンクにさまざまな模様が存在するのか、そして、私たち人間はどのような影響を与えているのかを説明する論文を発表した。(参考記事:「模様のない珍しいキリンがまた見つかる、今度

    シマスカンク、天敵が少ないとシマ模様がなくなる? 研究
    Nean
    Nean 2023/11/08
  • 火星の磁場消滅、原因は巨大な小惑星

    科学者たちの研究により、火星の磁場が消滅したのは巨大な小惑星の衝突が原因だったことがわかった。その小惑星は、かつて地球の恐竜を絶滅させたと考えられている天体の数倍の大きさがあったとみられる。 約41億年前に、小惑星衝突の衝撃で作られたのが直径3300キロのユートピア平原という大規模なクレーターである(写真中央の青の濃い円形部分)。 Photograph courtesy NASA 科学者たちの研究により、火星の磁場が消滅したのは巨大な小惑星の衝突が原因だったことが判明した。その小惑星は、かつて地球の恐竜を絶滅させたと考えられている天体の数倍の大きさがあったとみられる。 現存する大規模なクレーターの数から判断して、初期の火星は約1億年の間に15個ほどの巨大な天体が衝突していたと考えられている。 今回新たに作成されたコンピューターモデルから、火星の磁場は、特に規模の大きかった4回の天体衝突でし

    火星の磁場消滅、原因は巨大な小惑星
    Nean
    Nean 2023/11/08
    2009年05月11日付け記事。
  • 月の年齢は44億6000万歳と判明、定説より4000万年上だった | ナショナル ジオグラフィック日本版サイト

    グリーンランド、ディスコ湾の氷山の上に見える満月。科学者らは、アポロ計画によって持ち帰られた月の岩石サンプルを研究し、月の地殻が出来上がった時期は、これまで考えられていたよりも少なくとも4000万年早かったことを発見した。(PHOTOGRAPH BY MARCIN DOBAS, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 人類が月に降り立ってからすでに半世紀が過ぎたが、当時採取された月の岩石からは今でも、この柔らかい光を放つ地球の隣人について、重要な情報が得られることがある。そして、1972年に採取された岩石によって、月はこれまで考えられていたよりもはるかに古いことが、学術誌「Geochemical Perspectives Letters」に10月23日付けで発表された論文によって証明された。 月が形成された時代から残る最古の鉱物のひとつにジルコンがある。その結晶に閉じ込められた

    月の年齢は44億6000万歳と判明、定説より4000万年上だった | ナショナル ジオグラフィック日本版サイト
  • 「トゲトゲの鳥よけ」で巣を作る賢い鳥カササギ、武装化か、研究

    トゲのついた植物で巣作りをするカササギだが、なかには鳥よけ用の剣山が使えることに気付いた鳥がいるようだ。(PHOTOGRAPH BY AUKE FLORIAN HIEMSTRA) 鳥が住宅などの建造物に巣を作らないように、針状のトゲが並んだ鳥よけ用の「剣山」(スパイク)を設置することがある。ところが、ヨーロッパの鳥はこれが気にわないらしく、剣山を引きちぎって巣作りの材料に使い、巣を武装化しているという。 そんな行動を研究したのは、オランダにあるナチュラリス生物多様性センターの生物学者アウケ・フロリアン・ヒームストラ氏だ。「人間が鳥よけとして使っているものを鳥たちが利用して巣を作り、子孫を増やしてしまっています」と、氏は話す。この研究の成果は、7月11日付けで、ロッテルダム自然史博物館のオンライン学術誌「Deinsea」に掲載された。 「とても賢いやり方です。人間の対策を逆手に取る鳥たちが

    「トゲトゲの鳥よけ」で巣を作る賢い鳥カササギ、武装化か、研究
    Nean
    Nean 2023/07/31
    “とても賢いやり方です。人間の対策を逆手に取る鳥たちがいるなんて、頼もしいです”
  • 培養肉について知っておきたいこと、レストランで提供開始、米国

    2013年、英ロンドンで披露された世界初の培養肉。かつてSFの世界の存在だった培養肉は、数百万ドル規模の産業に発展し、未来の材ともいわれている。(PHOTOGRAPH BY DAVID PARRY, REUTERS) 未来の材と注目されている培養肉が、この7月にも米サンフランシスコとワシントンD.C.のレストランで提供される見通しだ。培養肉の提供は世界でもまだ例が少なく、米国内では初めてとなる。 米農務省は2023年6月に、アップサイド・フーズ社とグッド・ミート社に「鶏肉」の生産と販売を許可した。2社は、まずレストラン(アップサイド社はサンフランシスコの「バー・クレン」、グッド・ミート社はワシントンD.C.にあるホセ・アンドレス氏の「チャイナ・チルカーノ」)と提携する。将来的には他の培養肉も市場に流通させ、スーパーマーケットやレストランでの提供を目指す。 この農務省の決定で、米国はシン

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    Nean
    Nean 2023/07/31
  • 閉経した母親が守るのは息子だけ、シャチで判明、娘や孫は守らず

    北部ノルウェーの冷たい海でニシンの大群を襲うシャチの群れ。子どももいる。シャチは閉経後も長く生き続けるわずか6種類の動物の1種だが、その有益さを科学者たちは解明し始めている。(PHOTOGPAPH BY TONY WU, NPL/MINDEN PICTURES) 墨を吐いたり、体の色を変化させたりする動物の能力は、人間から見れば不思議に思えるかもしれない。しかし動物界全体から見れば、「閉経」こそもっとも不可思議な現象であることはご存じだろうか。 「自然界において閉経は非常にまれな特性です」と指摘するのは、英国エクセター大学の動物行動学者チャーリー・グライムス氏だ。閉経し、生殖能力を失ったあとも長く生き続ける動物はたったの6種類。ヒトと5種のハクジラだけだ。 ハクジラ類のシャチもそうした動物の仲間だ。そこで、なぜシャチのメスが閉経を迎えたあとも20年以上生き続けるのか、大規模な調査が行われて

    閉経した母親が守るのは息子だけ、シャチで判明、娘や孫は守らず
  • 「スーパー捕食者」アノマロカリスは硬いものが苦手だった、研究

    アノマロカリスの付属肢。アノマロカリス・カナデンシス(Anomalocaris canadensis)は、多種多様な生物が現れたカンブリア紀の海で栄えた初期の捕者だった。(PHOTOGRAPH BY DAVID LIITTSCHWAGER, NAT GEO IMAGE COLLECTION, ROMIP SPECIMEN 62543A. PHOTOGRAPHED AT THE ROYAL ONTARIO MUSEUM) アノマロカリス・カナデンシス(Anomalocaris canadensis)は、地球上で最初に登場した「スーパー捕者」のひとつと考えられていた節足動物だ。飛び出た複眼や、円形の奇妙な口器、そして一度つかまれたら逃れられないような付属肢を頭部に一対もつ姿は、カンブリア紀の海底に生きる小さな生物に恐れられていたに違いないと思わせる。しかし、このほど新たな分析によって、アノ

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    Nean
    Nean 2023/07/22
    へぇ~。
  • 世界は観測史上最も暑い夏になる可能性、日本でも猛暑に警戒を

    世界はこの夏、観測史上最も暑い夏になる可能性があるという。世界気象機関(WMO)は6月が史上最も暑くなり、7月7日には世界の平均気温が最高値を更新したと発表した。ここ数年は北半球を中心に「熱波」が常態化し、干ばつ、豪雨など気象の「極端化」が顕著だ。WMOは7年ぶりに発生したエルニーニョ現象が世界平均気温をさらに高める可能性があるとの懸念を示した。 エルニーニョ現象は日に涼しい夏をもたらす傾向にあったが、現在、日の南方では既に太平洋高気圧の張り出しが強い。梅雨明け前から高温が続き、各地で熱中症リスクが高まっている。梅雨が明けて格的な夏を迎えるにあたり、記録的猛暑に対する最大限の警戒が必要だ。

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    Nean
    Nean 2023/07/21
  • トンガ噴火、高度2000kmの宇宙空間まで「電離圏の穴」が生成

    2022年1月のトンガ沖海底火山噴火後に発生した、大気上層部の電離圏で電子密度が急激に低くなる「プラズマバブル」生成の解析に成功したことを名古屋大学宇宙地球環境研究所などのグループが明らかにした。「電離圏の穴」とも呼ばれ、宇宙空間の出来事に由来すると考えられてきたが、地表の現象の影響も受けていることが判明。今後の防災に役立てることも期待できるという。 電離圏は高度60~1000キロメートルに分布する。太陽の紫外線や放射線によって大気に存在する原子や分子の一部が電離している圏で、高度300キロメートル付近で電子密度が最大となる。電波の反射や散乱が起こる性質を利用し、短波放送や無線、FMラジオなどの伝播に用いられている。 プラズマバブルは、電離圏の電子密度が低くなる現象のこと。大規模なプラズマバブルが発生すると、電波障害や無線の干渉などを引き起こす。これまで太陽の表面で爆発が起こるフレアなど「

    トンガ噴火、高度2000kmの宇宙空間まで「電離圏の穴」が生成
  • 5人が行方不明、タイタニック号深海ツアー潜水艇の6つの疑問 | ナショナル ジオグラフィック日本版サイト

    海面のすぐ下で撮影されたオーシャン・ゲート社の潜水艇タイタン。5名を乗せて水深4000mまで潜水できる。(PHOTOGRAPH BY OCEANGATE EXPEDITIONS) 北大西洋のタイタニック号が沈んでいる場所の近くで、現地時間6月18日の早朝、オーシャン・ゲート社の潜水艇タイタンが行方不明になった。この海域は陸地から遠く、水深は3800mもあり、そして5人の乗員にとって酸素が計96時間(4日間)しかもたないなど、救助を難しくする要因が多い。タイタンからの通信は、潜水を始めてから100分後に途絶えた。 自力で航海できる潜水艦と違って、約6m、重さ10tほどのタイタンは、母船のサポートが必要な潜水艇だ。波の影響がない水深約10mまでは母船とつながったまま沈められ、そこからはバラスト(重り)によって3800mまで沈んでゆく。海底では4つの電動推進機を使って動き回り、母船に戻るときはバ

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    Nean
    Nean 2023/06/22
    どういう結末を迎えたとしても、必ず揉め事が続くことになるんだろうなぁ、これでは。
  • 高齢者に広がる急速に進む危ない虫歯、タンパク質分解酵素も原因

    高齢者に広がっている虫歯「根面う蝕(こんめんうしょく)」の原因は、菌が作る酸で歯が溶けることに加え、歯に元から存在するタンパク質分解酵素の活性化も原因であることを、東北大学大学院歯学研究科の高橋信博教授(口腔生化学)らが明らかにした。虫歯の進行を抑える「フッ化ジアンミン銀」や、お茶に含まれるカテキンなどが酵素の働きを抑制することも分かった。 根面う蝕はわずかに茶色になることもあるものの、あまり目立たない。痛みがほぼないが、あっという間に進行し、ある日突然歯が折れたり割れたりする。年を重ねて歯ぐきが下がり、露出した部分の歯が狙われる。歯が黒くなり、徐々に進行する小児や成人の虫歯とは異なり、その発症のメカニズムはよく分かっていなかった。 歯は3層構造になっており、一番外側の硬いエナメル質の下にある象牙質、セメント質といわれる2つの部分は軟らかい。エナメル質は歯の見えている部分では厚く、根っこに

    高齢者に広がる急速に進む危ない虫歯、タンパク質分解酵素も原因
    Nean
    Nean 2023/05/06
  • ティラノサウルスに「唇」があった可能性、なぜ唇が重要なのか

    このイラストに見られるように、ティラノサウルス・レックスなどの肉恐竜には、鋭い歯を覆う軟組織があったようだ。唇は、獲物を狙う際に使う歯を守り、歯の水分を保つうえで役立つ。(ILLUSTRATION BY MARK P. WITTON) 白亜紀の肉恐竜ティラノサウルスと言えば、恐ろしい歯と口がまず思い浮かぶだろう。ティラノサウルスは、博物館の展示や恐竜世界の復元図、そして『ジュラシック・パーク』などの映画で、バナナほどもある大きさの歯をのぞかせた姿で描かれてきた。しかし、古生物学者たちによると、実際のティラノサウルスや多くの肉恐竜には、歯を覆う唇があったようだ。(参考記事:「ティラノサウルスは実は3種いた、新たな論文が物議、議論白熱」) 複数の団体の古生物学者の合同チームが、3月30日付けで学術誌「Science」に発表した論文で、ティラノサウルスやアロサウルスなどの肉恐竜には、現在

    ティラノサウルスに「唇」があった可能性、なぜ唇が重要なのか
    Nean
    Nean 2023/04/04
    “ティラノサウルスやアロサウルスなどの肉食恐竜には、現在のトカゲのように、歯を覆う肉の唇があったという説”って、そもそもトカゲに唇があったんですかい^^;。
  • 体重を非難するのはむしろ逆効果、体重増加や健康悪化のリスクに

    人の体重を非難する行為は「容認されている最後のバイアス(偏見)です」と、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校の心理学教授A・ジャネット・トミヤマ氏は言う。(PHOTOGRAPH BY KAREN KASMAUSKI, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 研究者たちは近年、体重が重め(高体重)の人々が長く実感してきたことを論文で立証している。それは、「体重スティグマ」(高体重を恥とするらく印や偏見、差別)が社会に広く浸透し、スティグマを経験した人々が深刻な影響を受けているという事実だ。体重スティグマは、うつ状態や不安、摂障害などの不安定な精神状態や心臓疾患など、あらゆる不調の要因となり、最悪の場合は死に至ることすらある。 この問題は2023年に入ってさらに緊急性を帯びてきた。きっかけは1月に米小児科学会(AAP)が、高体重の子どもやティーンエージャーに対する積極的な治療を提唱

    体重を非難するのはむしろ逆効果、体重増加や健康悪化のリスクに
  • ネアンデルタール人とは、どんなヒトだった? なぜ絶滅したのか

    DNAの証拠を用いて作られたネアンデルタール人の女性の復元像。私たちの古代の祖先であるネアンデルタール人は、現生人類と似ているが、目の上が張り出しており、目と歯が大きい。科学者たちは、当初考えられていたよりも彼らは知的だったと考えている。(PHOTOGRAPH BY JOE MCNALLY, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 1856年、ドイツのネアンデル渓谷で、石灰岩を採掘していた作業員たちが骨の化石を発見した。当初、クマの遺骨だと思われたそれは、実は歴史を変える大発見だった。少なくとも40万年前~4万年前に生き、その後絶滅してしまった古人類の祖先だったのだ。 同じような化石は以前から発見されており、研究者たちは、19世紀初頭に発見されて以来、誤認されてきたほかの初期の化石も、人類の親類であることにすぐ気付いた。この発見は、新たな進化論を追求しようとする科学者たちに勇気

    ネアンデルタール人とは、どんなヒトだった? なぜ絶滅したのか
  • 北極の海氷が劇的に薄く平らに、2007年から、研究で判明

    グリーンランドのカーナークで、氷山から海の状態を吟味するイヌイットのハンター。北極の氷の形状の変化は、最終的に、海洋生物だけでなく海氷に頼って暮らす人々にも影響をもたらす。(PHOTOGRAPH BY PAUL NICKLEN, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 1895年4月、有名なノルウェー人探検家、フリチョフ・ナンセンは、北極の氷原を犬ぞりで進み北極点を目指したが、果てしなく連なる氷脈に行く手を阻まれた。「どこまでも続く氷塊は、まさにカオスだった」。ナンセンは、探検記『極北:フラム号北極漂流記』にこう記している。そりを引いてこの氷脈を越えるのは「どんな巨人でもへとへとになるほどの苦行」だった。 だが、2023年3月15日付けで学術誌「ネイチャー」に掲載された論文によれば、ナンセンの行く手に立ちはだかった険しい氷脈の大部分が、いまでは過去の存在になっているという。尾根

    北極の海氷が劇的に薄く平らに、2007年から、研究で判明
  • 300万年前の「意外な」石器を発見、作者はヒト属でない可能性

    科学者たちはケニア南西部のニャヤンガ遺跡を発掘し、300点以上の石器を発見した(写真は発掘調査開始前の2014年に撮影したもの)。(PHOTOGRAPH BY T.W. PLUMMER, HOMA PENINSULA PALEOANTHROPOLOGY PROJECT) 考古学者たちがケニア南西部のニャヤンガ遺跡で特徴的な石器を発見した。石器は最も古くて300万年ほど前のものと考えられる。オルドワン技術(旧石器時代初期にアフリカ東部で発達した道具製作の伝統)を用いた石器としては世界最古のものだ。 さらに意外だったのは、これらの石器がパラントロプス属の化石と共に発見されたことだ。パラントロプス属は、現生人類を含むヒト属とは異なる系統の初期人類である。 この発見は、私たちヒト属以外の初期人類も石器を使っていたという説を裏付けると同時に、オルドワン技術の始まりが、これまで考えられていたよりも数十

    300万年前の「意外な」石器を発見、作者はヒト属でない可能性
    Nean
    Nean 2023/02/15
  • 南海トラフ地震の1週間以内にまた巨大地震、最大で平時の3600倍

    近い将来に発生する可能性が高いとされる「南海トラフ地震」について、巨大地震発生から1週間以内にさらに別の巨大地震(後発地震)が発生する確率は平時の約100~3600倍になることが、東北大学、京都大学、東京大学の研究チームの試算で明らかになった。研究チームは「南海トラフ地域は世界の他地域と比べて巨大地震の連続発生確率が大きい可能性があることを示せた」としている。 南海トラフ地震は、駿河湾から日向灘沖にかけての陸のプレートとその下に沈み込むフィリピン海プレートの境界を震源域として発生する海溝型地震。過去の事例を見ると、概ね100~150年程度の間隔で繰り返し大規模な地震が発生している。前回の南海トラフ地震(1944年の昭和東南海地震、1946年の昭和南海地震)からすでに80年近くが経過しており、国は今後30年以内の発生確率を70~80%と予測している。

    南海トラフ地震の1週間以内にまた巨大地震、最大で平時の3600倍
  • 核融合で画期的な成果、念願の「エネルギー純増」に成功

    米ローレンス・リバモア国立研究所の国立点火施設が、192のレーザーを使って核融合燃料の点火に成功した。写真は、実験に寄与した同施設の前置増幅器。(Photograph by Damien Jemison, Lawrence Livermore National Labratory) 恒星のエネルギー源となっている核融合を利用して、この地球上で大量のクリーンエネルギーを作ることはできないものか。60年以上にわたって、科学者たちは物理学が提示するこの難題に取り組んできた。そして12月13日、米ローレンス・リバモア国立研究所は、この分野において画期的な成果があったと発表した。研究所の核融合炉が、投入したエネルギーよりも多くのエネルギーを取り出すことに成功したというのだ。(参考記事:「核融合研究が前進、高エネ粒子の電磁波によるプラズマ加熱を発見」) 12月5日、同研究所の国立点火施設(NIF)で

    核融合で画期的な成果、念願の「エネルギー純増」に成功
    Nean
    Nean 2022/12/16
    “研究が実を結び、新しいエネルギーの未来が実現するのはいつになるのか、そもそも実現するのかすら、はっきりとは分からない。”