今や精神科外来は気分障害や不安障害の人びとであふれかえっている。だが病像はかつてほど明確ではなく、精神科医はどこかで不全感を感じつつも、慌しい時間に押し流されていく。病いを語る言葉はどんどんフラットになり、ストレスや過労が原因とされ、あるいはモノアミン仮説がいまだに幅を利かせる。潜在的には常に死の影がつきまとう病者、彼らと向き合うために、著者は病の確かな道標と心理への深い洞察を求めつつ、臨床の言葉を再興する。 序章 うつ病の理解を深めるための三講 第Ⅰ部 臨床場面におけるうつ病の心理 第1章 精神療法の原則 第2章 うつ病の回復過程論 第Ⅱ部 双極性障害をめぐって 第3章 双極Ⅱ型障害の臨床 第4章 双極性障害の心性 第Ⅲ部 うつ病のメタサイコロジー 第5章 うつ病の精神療法可能性について 第6章 うつ病の深層――若年事例の病理を理解するために
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