子宮頸(けい)がんワクチン(HPVワクチン)の安全性を検証する記事を書き続けてきた医師でジャーナリストの村中璃子(りこ)さんが先月末、英科学誌ネイチャーなどが主宰するジョン・マドックス賞を受賞した。村中さんは18日に厚生労働省で記者会見し、「受賞が国内のワクチン接種を促す議論を再開するきっかけになってほしい」と語った。 (阿部博行、藤川大樹) ジョン・マドックス賞は今回で六回目。困難や敵意に屈せず公益に資する科学的理解を広めた個人を表彰する。村中さんは二十五カ国の九十五人の候補者の中から選ばれた。日本人の受賞は初めて。 村中さんは自身の執筆や講演活動をめぐり、ワクチンに反対する人たちから誹謗(ひぼう)中傷や妨害を受けたことを明かし、「受賞理由で言論活動を封じようとする力が働いたにもかかわらず、発言を続け、世界の公衆衛生に役立つ活動をしたと評価された」と喜びを述べた。 世界保健機関(WHO)