「アベノミクスにより、やっとここまで来ることができた。しかし、まだまだやるべきことがある」 安倍晋三首相は第3次改造内閣でも「経済最優先」を掲げ、十分な効果がまだ得られていないので、この路線を続けるのだと強調した。 2012年12月の政権発足時に「デフレ脱却」をうたって以来、繰り返してきた主張だ。 「三本の矢」に始まったアベノミクスは15年秋、「第2ステージに移る」と宣言して「新たな三本の矢」となった。希望を生み出す強い経済、夢をつむぐ子育て支援、安心につながる社会保障の3本だった。 ほどなく「1億総活躍社会の実現」が掲げられ、そのための「働き方改革」が昨夏の内閣改造の目玉となった。14年秋から続く「すべての女性が輝く社会」と「地方創生」の政策目標も健在である。 こうしたスローガンを次々に打ち出し「道半ば」を演出しながら、時間稼ぎをしてきた4年半余だった。 看板の具体化のため、さまざまな施