乳牛の人工授精の様子 人工授精で繁殖されている乳牛や肉牛の受胎率が、年々低下し続けている。乳牛はより乳量の多い大型化、肉牛は霜降りの度合いが高い肥満化が進んでいる。こうした改良の影響などが指摘されているが、原因ははっきりせず、解決策はみえてこない。 乳牛や肉牛はほとんどが凍結精液による人工授精で繁殖されている。精子を採取・頒布している家畜改良事業団は毎年、約30府県の100人ほどの人工授精師に自分が種付けをした牛の受胎率を報告してもらい、集計している。 それによると、乳牛の最初の種付けでの受胎率は、93年までは62%前後だったのが、それ以降低下し始め、05年からは50%を割り続けている。 肉牛も93年までは67%前後だったのが、05年以降は60%を切るようになった。 畜産草地研究所などが昨年、九州、沖縄地区の人工授精師・獣医師約300人にアンケートしたら、43%が「種付きが悪