農林水産省がサイバー攻撃を受け、機密文書を含む延べ3000点以上に海外流出の疑いが出ている問題で、同省のシステムに侵入した攻撃者が、キーワード検索をしながらターゲットの情報を探していたことがわかった。 流出が濃厚な文書のうち、一昨年11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議前に作成された二十数点はすべて環太平洋経済連携協定(TPP)交渉関連で、攻撃者が日本の動向に狙いを絞ってスパイ活動をしていた様子がうかがわれる。 農水省関係者によると、不審なキーワード検索が行われた痕跡が見つかったのは、遠隔操作型ウイルスに感染した複数の公用パソコン。パソコンに「FIND」と入力してパソコン内のファイルを検索する命令が実行されていた。 APEC首脳会議のあった一昨年11月の直前に作成された二十数点のファイルは、国際交渉を担当する複数の職員のパソコンに保存されていたが、一つのパソコンに集められた上