日本中枢の崩壊 著者:古賀 茂明 販売元:講談社 ★★★★☆ 著者は、経済産業省の大臣官房付という現役のキャリア官僚である。それがこのように日本の官僚機構を全面的に批判する本を出すのは、それなりの覚悟があってのことだろう。ただ、彼は「反体制分子」というわけではない。本書に書かれている彼の仕事ぶりは、与えられた仕事を淡々とこなす常識的なものだ。 その歯車が狂ったのは、福田内閣の渡辺喜美行革担当相に「一本釣り」されて国家公務員制度改革推進本部の事務局長になったときからだ。自民党や霞ヶ関の反対を押し切って国家公務員法の改正案をつくったものの、渡辺氏がいなくなると法案は骨抜きにされてしまった。 政権交代で改革をやるはずだった仙谷由人行政刷新相は、著者を経産省に戻してしまい、彼は官房付の窓際ポストで飼い殺しにされる。そして彼が国会に参考人として呼ばれたとき、仙谷官房長官が「こういう場に呼び出すやり方