動画など大量のデータをやりとりするスマートフォン(多機能携帯電話)の急速な普及で、現行の携帯電話回線が混雑し、放置すれば、数年後には回線がパンクする恐れが出てきた。このため、携帯各社は、通信量の抑制に乗り出したり、通信料金の見直しを検討したりするなどの対策に動き出している。【乾達】 米アップルの「iPhone(アイフォーン)」に代表されるスマートフォンはパソコン並みの機能を持ち、データ量が大きい動画やゲームなどを楽しめる。だが、携帯各社によると、従来型の携帯電話に比べ、1人当たりの通信量が10~20倍に増える傾向にある。スマートフォンは今後も販売が大幅に伸びると予想され、KDDIは国内全体の携帯でのデータ通信量が15年には10年実績の18倍に達すると試算。「このままでは13年には通信量が携帯回線の容量を超す」(田中孝司社長)と懸念する。既に都心部では通信速度が遅くなったり、つながりにくくな