8600万年前の化石が見つかっているコウモリダコは、イカとタコが進化の過程で分かれる前の共通祖先といわれる。足はタコと同じ8本だが、オレンジ色の糸のようなイカの触腕に当たる器官も2本持つ。体長は約10センチ。現在は熱帯から温帯の水深600~1000メートルに分布している。 餌はマリンスノーと呼ばれるプランクトンの死骸のほか、漂う小さな生きものを足の先の発光器官でおびきよせて食べる。発光器官は頭のように見える部分にもあり、こちらは外敵が近づいたときに光らせる。その後、発光面積を徐々に小さくし、まるで遠ざかっているように見せかけて追跡を諦めさせるという。(壽)