私が勤務する病院では医師だけではなく、患者さんと接する機会のある職員のほとんどがインフルエンザワクチンを接種します。その理由は二つあります。 私の著書『医心電信―よりよい医師患者関係のために』でも触れましたが、理由の一つ目は自分自身を病気から守るためです。普通の人と比べて医療従事者はインフルエンザの患者さんと接する機会が多く、そのぶん感染する可能性が高いです。 二つ目の理由は、患者さんに病気を感染させないためです。もともと健康な人がインフルエンザにかかっても、つらい症状はあるものの、ほとんどの場合は後遺症もなく治ります。しかし、免疫の弱った高齢者や持病がある人がインフルエンザで死亡することは珍しくありません。病院にはこういう高リスクの患者さんがたくさん入院しています。 私の勤務先で接種するのは全部で800人ぐらいです。これだけの人数となると一度には接種できませんので、一日に何十人かずつ、2
![なぜ医師にインフルエンザワクチン?ハイリスク患者守れ:朝日新聞デジタル](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/16ec24e32f19814a9ff477f1c916d585c264e813/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.asahicom.jp%2Farticles%2Fimages%2FAS20171117005114_comm.jpg)