随分前に読了したのですが、ふと思い立ったので感想など。 日本軍の敗北に終わった六会戦の分析から、日本軍という組織の体質とその欠陥をあぶりだし、そこから「失敗の本質」を見出そうとする軍事研究・組織論・経営論の書です。 著者たちは日本軍の失敗の本質を「組織及び人材の硬直化による目前状況への対処能力喪失」および「教条主義的価値観により整備された偏頗な戦力体系と運用思想」そして「各組織間の統合的意思決定と意思疎通の欠如」に求めています。日本軍という存在に対し本質的な問題提起を行い、現在に至るまでの日本軍観を集大成した名著ですが、内容に、若干気にかかるところがあります。 うーん、やはり古い本だからか、小首をかしげるような所が幾つかあるのと、実証性の少ない経営哲学本に堕している雰囲気がいささか感じられました。最終章の総論における日本軍の総括が、印象批評的であるのが残念。本当にそうなのか? と聞きたい部