竹内研究室の日記 2019 | 01 |
中村修二さんがノーベル賞を受賞されたことから、お祝いとともに、日本の科学技術の今後について心配する声など、メディアの方の取材の依頼を受けるようになりました。 本当はフラッシュメモリがフラッシュメモリにノーベル賞が授与され、開発チームの一員、当事者としてメディアの取材を受けたかったのですが仕方ない。日本の技術者の処遇を考えるきっかけになれば良いと思います。 問い合わせて頂く内容は例えば、 「日本の技術者は虐げられているのではないか」 「ノーベル賞は日本の経済が良かった時代のもので、これからの日本の科学技術は競争力があるのか」 「日本の技術者・研究者は報われないのではないか」 「日本の大学の研究環境は悪化するばかりではないか」 「特許法の改正で特許の帰属が発明者から企業に変わることで、更に技術者のモチベーションが下がるのではないか」 個々の取材にお答えするのも面倒なので、このブログでお答えしよ
iPhone6、6Plusが出ましたね。以前、「iPhoneではアップルはフラッシュメモリを10倍高く売って儲けている」というブログを書きました。 iPhoneに内蔵されているフラッシュメモリも市販されているSDカードのフラシュメモリも同じものです。 しかし、アップルはSDカードのスロットをもうけず、フラッシュメモリを内蔵する、つまり顧客がフラッシュメモリをアップルから買わざる得ないようにすることで、大きな利益を得ています。 先ほどのブログでは、iPhone5Sではアップルはフラッシュメモリを10倍高く売りつけていると書きました。 iPhone6、6 Plusの価格を見ると ・iPhone 6 16GBモデル ¥67,800 (税別) 64GBモデル ¥79,800 (税別) 128GBモデル ¥89,800 (税別) ・iPhone 6 Plus 16GBモデル ¥79,800 (税別)
オバマ大統領が来日した際、日本未来館で東大発のロボットを開発するベンチャー、シャフトの創業者たちと彼らの製品のロボットと会ったそうですね。 ロボットと言えば、日本のお家芸。今でも産業用のロボットは非常に日本企業が強いです。 その一方、二足歩行のようなヒューマノイドのロボットはおもちゃとしては面白いけど、なかなか産業として離陸することが難しい。 介護ロボットとして有望と言われていますが、実用化はまだ遠そうです。 産業が広がらないために、シャフトもなかなか日本では資金を集められなかったと言われています。 結局、グーグルに買収された(してもらった)。 投資対象としてロボットを評価する時に、おそらく日本のメーカーは、ハードウエアとしてロボット単体の商売を考えたのでしょう。 そうすると、最近のロボットは、高度なセンサを搭載し、AIなどを使って賢いアルゴリズムを実装して高機能化してきたと言っても、まだ
日本ではITやエレクトロニクスはダメダメですが、一歩、国外に出れば成長産業。 私が研究しているSSDや半導体メモリを使ったストレージは、ITのクラウド化で猛烈に成長している。 例えば、Flash Memory Summitという8月にシリコンバレーで行われたマーケティングの会合では、400件以上の発表が行われ、4000人もの参加者が。 でも、日本の半導体やITはリストラなどの後ろ向きばかり。GoogleやAmazonのように、世界はドンドン進んでいくのに、日本はどうするんでしょうね。 私は日本の大学に居るし、国(税金)からも予算を頂いて研究している部分もあるので、何としても、日本の企業に貢献したい、復活のお手伝いをしたいと思っています。 ですが、共同研究などのお話をしていると、愕然とすることばかり。 研究するには、それなりにお金が必要ですが、「金は出さないけど、権利は全てよこせ」というケー
iPhone5Sが発売になりました。au、ドコモ、ソフトバンクの料金設定について、いろんな駆け引きがあるようですね。 それはさておき、フラッシュメモリの観点からiPhone5Sの価格を見てみましょう。 どの会社でも、新規購入・機種変更を問わず、iPhone5Sの16GBモデルに比べて、 ・32GByteモデルは1万320円高い ・64GByteモデルは2万640円高い 中身の違いは単純にフラッシュメモリだけですから、 ・16GByteのフラッシュメモリを1万320円 ・32GByteのフラッシュメモリを2万640円 で売っているわけです。 一方、中身は同じフラッシュメモリの16GByteのSDカードは価格.comの最安値は、925円。 つまり、高々、千円のフラッシュメモリを一万円くらいでアップルは売っているわけですね。 なんと、価格が10倍です。 しかも、フラッシュメモリを製造しているのは
昨日の朝に書いたブログがすさまじいアクセス。 「まじめに規則を守って仕事をすればするほど、ダメになっていく日本」 やっぱり、みんな同じように感じてるんですね。 ところで、育休を3年に延ばすそうですね。 仕事を3年も休んだら使い物にならないので、こんな制度は意味ないとか、言われていますが、これはこれで良いと思います。 というのも、日本は育児に限らず、休職を充実させた方が良いと思うから。 アメリカでは、こんな制度はいらないと思う。 日本の「伝統ある」大手企業では、一度会社を辞めてしまったら、もう戻るのは厳しい。 終身雇用も年功序列も崩れてきているのに、一度やめたら、「裏切り者」的な扱い。 あの、やめた人に対する、ウエット感、ジメジメ感は、日本の伝統ある(古い)組織に独特じゃないですかね。 これは、働いている人にも、企業にとっても悪いことばかりではないでしょうか。 何らかの事情で会社をやめても、
今日、ツイッターを見ていたら、「ちぎって使う紙製USBメモリー」というGizmodoの記事を見つけました。 GIGS.2.GOという商品なのでしょうかね。 記事から引用すると、下の写真のように、フラッシュメモリを紙で実装していて、必要な時に、ちぎって使える。 大きさは、4個のメモリがついて、ちょうど、クレジットーカードの大きさ。 手帳や財布に入れておいて、人にデータをさっと渡す時なんかに便利ですね。 こうして、メモのように、中身のデータが何が入っているかも書ける。 包装のデザインを工夫すれば、おしゃれなプレゼントにもなるでしょうね。 データを記憶しているフラッシュメモリは書き換えが可能なので、紙製といっても、使い捨てではありません。 とはいえ、紙で包装しているから、何年も使うものではなくて、使い捨て感覚で気軽に使えるのが特徴でしょう。 実は、こういった製品のコンセプトは、フラッシュメモリの
ミッドナイトフライトで日本に帰ってきました。モントレーで開催されたIRPS(Internaitonal Reliability Physics Symposium)で竹内研からは3件で発表しました。 学会中は自分の発表以外は、ホテルにこもって、仕事ばかり。 特に、西海岸の夜が日本の昼なので、連日、Skypeでミーティングをしたり、資料を作ったり。とうとう、徹夜になってしまった。 深夜便の中でも仕事して、朝の5時について、帰宅して、また仕事です。 大学の研究者の自分がそこまでしゃかりきに仕事をしなくてもいいのかもしれないけど、何とか、日本の電機やIT産業を復活させたい。 その思いだけで、企業や大学の間の調整をする毎日です。 その中で、どんな組織からも出てくるんですよね、ルールばかり気にする人が。 石橋を叩きに叩いて、最後は叩き割る。 いつも結論は、「やめましょう」になる人が。 私は今まで、大
電機メーカーが苦しくなる中、企業も大学も知恵を出せ、と迫られているのですが。 ・日本企業はハードは強いけれど、ソフトは弱い。 ・ハードを売るための標準化など、売るための仕組みを作ることが弱い。 ・ハードを売るための環境やコラボレーションが下手。 など、言われますね。 何か仕様が決まったものを作るのは上手だけども、何を作ったらいいかを考えるのは苦手。 また、デザインなど、新しいライフスタイルを提案するのもの下手。 なぜそうなってしまったのか。 ある技術者の言葉で、「自分は技術好きでやってきたので、そういうことを考えろと言われても苦手なんだよな」 この言葉は、今の日本のメーカーの苦しさを象徴しているような気がします。 いまや、コンピューターにしろ、テレビにしろ、エレクトロニクスの製品のスペックは十分に高い。 これ以上、スペックを上げても、対価を払ってもらえない。 だから、単にスペックを上げる技
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