昔々、どこやらの内科教授が引退するときに、自分の誤診率を30%だったか、もうちょっと低かったか忘れたが、そのぐらいだと発表し、世の医療関係者はその低さに驚嘆した、なんて話をよく聞かされた。 今なら診断手段が格段に進歩しているので、身体疾患になった人が大病院でごちゃごちゃと検査を受ければ、まず誤診率は0%になるだろう。ちゃんと診断がつくことと、治療ができると言うこと、ましてやその病を持った人が苦しみから解放される、と言うことはまったく別の話ではあるものの。 精神科医療の領域では、昔はこの「誤診」はそれほど問題にならなかった。言うならば分裂病群とうつ病群、そして神経症群の3つ位しかないのである。アミダくじで決めたって、イチローの打率を越える結果がでる。 分裂病に関しては、あんまり言語化されないようなフィーリング診断が決め手で、言うならばこのフィーリングを感じ取れるかどうかが精神科医の専門性なの