視覚障害者が駅のホームから転落する事故は、全国で相次いでいる。国や鉄道事業者はハードとソフトの両面で様々な対策を進めているが、「欄干のない橋」と例えられるホームの危険性は残されたままだ。 転落防止に効果が高いのは、ホームドアなどの可動式ホーム柵だ。国交省は1日10万人以上が利用する駅への優先的な設置を求めるが、全国約9500駅のうち設置は686駅(昨年3月時点)にとどまる。鉄道事業者にとっては、費用がひと駅あたり数億円規模と膨大なことが負担になっている。 最近では、ロープが上下するなど低コストのホーム柵も導入が広がっている。だが、ホームの幅が狭かったり、ホームが柵の重さに耐えられなかったりするなど構造上の課題もある。JR西の管内でも大阪駅の一部ホームなど在来線では6駅にしか柵がない。関西の多くの私鉄でも設置はこれからだ。 一方、国交省は1日3千人以上の利用駅にホームドアや点字ブロックの設置