戦争放棄を盛り込んだ憲法九条は、日本側の意思でつくられたのか、それとも連合国軍総司令部(GHQ)に押し付けられたものなのか。長く論争となってきたテーマについて、読者の方から興味深い情報が寄せられた。小学館の学習漫画は当初、幣原喜重郎(しではらきじゅうろう)首相の提案と表現していたが、ある時からマッカーサーGHQ最高司令官の提案に変わったという。記載はいつごろ変わったのか、どんな事情があったのか、学習漫画を巡る「謎」を追った。 学習漫画は「少年少女日本の歴史」。第一巻が一九八一年から刊行されているロングセラーだ。指摘された場面は第二十巻「新しい日本」の中で、四六年一月二十四日の幣原・マッカーサー会談を描いた一コマ。出版時期が違うものを探して比べたところ、絵柄はほぼ同じなのに発言内容が変わっていた。 具体的には、九三年三月発行の第三十三刷は、戦争放棄を憲法に入れるよう提案したのは幣原として
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