1日から2年後の3月に卒業する大学生の就職活動が解禁された。4年生の夏が近づいてから「就職どうする?」とぼちぼち会社訪問を始めた「昭和世代」と違い、今は長引く不況で有名大学を出てもすんなりと就職は決まらないそうだ。 ▼近ごろは、就活には何の役にも立たない小欄のところにも何人か「記者になりたい」と訪ねてくる。そのとき判で押したように聞かれるのが「記者になるためには何が必要ですか」という質問だ。 ▼正解はいくつもあるだろうが、「信義を守る気概だ」と格好良く答えるようにしている。記者は、頼まれもしないのに他人の悪口を書き、他人にみせたくない暗部を世間に暴くのを生業としているからこそ、人間としての最低限の信義は守らねばならない。当たり前の話だが、実はかなり難しい。 ▼前沖縄防衛局長が、記者との酒席での発言がもとでクビになった一件がいい例だ。前局長は、小社を除く約10社の記者を居酒屋に集めて、発言を