新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、医療機関や高齢者施設で消毒液の不足が深刻化する中、宝酒造(京都市下京区)は、消毒液の原料となる工業用アルコールの増産を開始した。厚生労働省から要請を受け、需要が逼迫(ひっぱく)した都道府県などに優先供給するという。 同社は、酒類と工業用のアルコールを製造販売している。感染拡大による全国的な消毒液の不足を受け、厚労省は高濃度の工業用エタノールでも消毒液に代替できるとする見解を示し、手指の消毒用エタノールを都道府県に優先供給する枠組みをつくった。 厚労省の要請を受けた同社は、千葉県松戸市の松戸工場と神戸市の白壁蔵で工業用アルコールの増産に着手。通常の酒類アルコールと合わせ、同社の生産設備をフル稼働して需要に応える。