書き直す時間がないので、ほぼそのまま転載していますが、1箇所間違えて後で訂正したところは、訂正を反映しています。そのまま流れて消えていくTL(タイムライン)であることを前提に書いているので、文体が口語体・すごくラフですが、まあ以下のような感じで twitter やってまっせ、ということでご紹介(宣伝)です。 (twitter では、ツイートの最後に「(続く)」とか、ツイートの初めに「(続き)」とか書いて、延々と続けているのですが、「続く」と「続き」は転載にあたり削除しています) ・・・ってか、これって「転載」って言うのだろうか? ------------ 大学院ゼミ(多摩)は、先週に続き全部取得条項付種類株式を取得する総会決議の取消しが争われた下級審判決を読む。今日は日本高速流通事件(東京高判22・7・7)。取得決議により金銭対価で締め出されてしまった株主も、決議取消しの訴えの原告適格を有
ご無沙汰しております。今日は、今、法制審の話題の1つ、二重代表訴訟についてコメントしたいと思います。法制審議会・会社法制部会第6回会議(平成22年10月20日開催)の資料や議事録はこちら。議事録は発言者の実名入りで(ここが前回の「会社法」制定時の法制審と違ってますね)、なかなか楽しめます。 (1)二重代表訴訟とは何か A株式会社の取締役Bが、任務懈怠によりA社に損害を与えたというとき、BはA社にその損害を賠償する義務を負います(会社法423条1項、会社に対する任務懈怠責任)。しかし、A社(会社を代表して訴訟を提起するのは、同社の監査役)がBの責任追及を適切行わずにお目こぼしする可能性があるため、A社の株主(ここではCとしておきます)が原告となって、Bに責任追及の訴えを提起することが認められています(会社法847条)。 C | A社 取B A社に子会社S社があり、S社の取締役Tが任務懈怠によ
受験生のみなさん、受験の心構え等は葉玉先生のブログをご参照いただきたいのですが、ひとことでいえば、(1)自信を持つことと、(2)傲慢にならないことのバランスを上手く保って下さい。そして、体力的に過酷な試験ですので、上手にペース配分をして、必ず完走して下さい。 さて、時節柄、司法試験に関係ありそうなことを書きにくいので、きょうは試験に絶対関係なさそうな rights issue について軽〜く考えてみたいと思います。 1.(法律的に厳密な意味ではなく、経済実質に照らして大まかに見て)上場会社が新株発行による資金調達を行うときに、既存の株主に持株数に応じて新株を引き受けてもらうやり方(株主割当て)によることを、「ライツ・イシュー」と呼んでいます。 日本法では取締役会の権限・裁量が強く、第三者割当てや公募による新株発行が広く認められているのですが、最近、海外の機関投資家から、日本企業もヨーロッパ
今般の会社法改正でテーマの一つとなりそうな企業グループに関する法ルールのあり方(学界では「結合企業法(制)」と呼ばれます)について、備忘です。 先日(4月14日)のエントリーで、ドイツのコンツェルン法についての参考文献として伊藤靖史教授によるものを挙げましたが、以下の2つを追加しておきます。 高橋英治「ドイツの企業結合法」法学雑誌(大阪市立大学)55巻1号1頁(2008年8月) 松井秀征「結合企業法制の検討を始めるにあたって」MARR187号10頁(2010年5月) これらの文献に共通しているのは、ドイツのコンツェルン規制は立法者の予定した通りには機能しておらず、実務は有限会社を使って法規制を迂回しており、そのことにはそれなりの理由がある、裁判所もコンツェルン法を有限会社に類推適用することはせず、別のルールで問題に対処している、という指摘です。 私自身は現時点で、次のようなことをつらつら考
こちらから入手可能です) ファイルサイズは大きいですが、大半は参考資料で、報告書本体は6頁と読みやすいサイズです。賛否両論あると思いますが、多くの方にお読みいただければと思います。 監査役というと、賛否両論、喧(かまびす)しい訳ですが、ここでは教科書レベルの議論と実務のポイントの架橋を試みたいと思います。って、最近、授業で話したことそのまんまですが。 1.監査役は取締役の職務の執行を監査します(381条1項前段)。ここでいう「取締役の職務の執行」には、取締役本人が行うもののほか、取締役からの委任を受けて使用人(従業員)が行うものも含まれます。 また、監査の対象は「業務の執行」ではなく「職務の執行」とされています。業務がビジネス(営利活動)に関わるものなのに対して、職務はそれに限られず、より広く役員等が果すことが期待される役割の内容を指しますので、監査役の監査の対象には、取締役がきちんと他の
きょうは、だめだめロー生さんからいただいた質問にお答えしたいと思います。 【6月17日9:10頃、訂正あります】 【6月17日10:00頃、更に訂正あります】 なぜ、資本金、資本準備金、剰余金・・・などのカテゴリー分けが必要なのでしょうか? 私の理解は、資本金その他の規定は会社と株主の間を規律するものであって、細かいカテゴリー分けがなされていたほうが、計算書類が会社の資産の実態に反映しやすく、それによって会社制度が利用しやすくなるというものです。 --------- 最後の部分は、違います(残念)。会社の資産(固形物だけでなく、金銭債権などももちろん含みます)は、貸借対照表の左側(資産の部)に、分類されて、表示されます。大まかには、流動資産と固定資産に分けられ、その中でさらに再分類されて、それぞれの合計額が示されます。 つまり、「計算書類が会社の資産の実態に反映」しているのは、貸借対照表の
エンタの時間帯にレッドカーペットをやってほしい(挨拶)。 【4月15日 午前8:40頃 追記 コメント欄において、リーガル・クエストの誤植等に関する仮の訂正をしていますので、同書をお持ちの方はご参照ください。ご指摘くださった方々に感謝いたします。】 お手持ちのケースブックの奥付(一番最後のページに書かれた、書籍に関する情報のところ)をご覧になって、「同2刷発行(部分補訂)」と書かれているならば、以下は無視していただいて結構です。 もしも、「第3版1刷発行」とだけ書かれている場合には、補訂を織り込んで下さい。具体的には、 弘文堂のホームページで補訂の内容が紹介されています。 分量はそれほど多くはないのですが、現在、市場で流通している同書は1刷と2刷が混ざっていて、授業の際に若干の混乱を生じるかもしれませんので、宜しくお願いいたします。 * 有斐閣の『Legal Quest 会社法』も宜しくお
新司法試験まで1ヶ月強になってしまいましたが、どうか受験生の皆様は、受験勉強でも、本番でも、良い意味でのびのび頑張ってほしいと思います。 で、それと関係があるのかないのか良く分かりませんが、今日は「論点」の話をしようと思います。 1.事例問題を解くとき、普通は、前提として解答者の側にいわゆる論点に関する知識があって、事例の中に埋もれている論点を発見することが必要になります。 ただ、司法試験はどうもそれだけではないみたいです。 具体的には、予備校本にも教科書にも書かれていないけど、その場で条文を頼りに考えればそれなりに論じることができる、という能力も試されています。 つまり、日頃「論点」を勉強しているときには、「事例から論点を発見する能力」を養うことに加えて、「物事を法律的に考える力、作法」を身に付けることが大切だと思います。つまり、当該論点だけではなくて、他の問題についても応用が利くような
「二」は「会社法」の制定過程をなるべく中立的に記したものです。残念ながら私はインサイダーではないので、いわゆる裏話はありませんが、「会社法」の評価と切り離して、立法過程についての記述をして、これを後世に残すとともに、他の法律分野の専門家にも参考にしてほしいと思いました。 「四」は、会社法のあり方についてかなり抽象度の高い問題を並べています。たとえば、「フォーマットとしての法人法制」「会社法と金商法の境界のあり方」「誰のための会社法か」「どのように実証的に、ないしそれに近いやり方で、会社法を評価し、見直していくべきなのか」などを語っています。 さて、この論文の中心的部分は「三」です。論文自体はゴチャゴチャしていて読みにくいのですが、ディテールを捨てて骨だけをここで紹介します。テーマは「国際比較における日本の会社法」、もっというと「果たして他国の会社法と比べて、日本の会社法はそんなに(学者がい
(4)ニッポン放送事件よりも前の新株発行(第三者割当て)の差止め仮処分の事例では、裁判所は主要目的ルールにより事案を解決してきたが、そこでは支配権争いについての価値判断は回避されてきた。 (5)そのような裁判所の姿勢は、短期間での判断が求められること、主要目的ルールは適用範囲が広く使い勝手が良いこと、これに代わる価値判断について参照できる価値判断が示されていなかったこと、そして裁判所にとっても価値判断を回避すること(火中の栗を拾わないこと)は合理的であったことなどによると推測される。 (6)しかし、ニッポン放送事件で裁判所は従来の姿勢を変化させ、支配権争いの帰趨を決めるべきは取締役(会)ではなく株主であるという価値判断を示すようになった。 (7)それは、事案の特殊性にもよるが、企業価値研究会が平成17年3月7日に論点骨子を取りまとめたこと等により、裁判所の外側でこの問題についてのルール形成
コメントを頂き、ありがとうございました。本エントリーは、頂いたコメントへの私のご返答です。直接のお答えになっていないかもしれませんが、ご容赦ください。 ですます調は今回もやめます。 1.実務家から一目置かれる学者になりたい + 共同研究の必要性 前回の書き振りからは分かりにくかったと思うが、私は学者と実務家の分担はあくまで便宜的・相対的なものであり、両者が交流し、さらに相互に領空侵犯することは好ましいことだと考えている。 学問や大学が生き残るためには、それなりに外の世界から「やるじゃないか」と見てもらえることが大事である。○○法の学者だけ、しかも出身大学が同じような人間だけで集まって研究会をやることは、もちろん悪いわけではないが、それ「だけ」ではダメだ。そのような閉じた空間では高く評価される理論が、外で受容されない可能性は、ある。というか、その可能性は大きい。 商法と民法、法律と経済、理論
以下、かなり筆がすべる予定ですが、特定の人を批判する意図は全くありません(最初の学会云々は、発端に過ぎません)。ですから、一般論としてお読みいただけますと幸いです。 きょうはいつもと違い、ですます調は止めます。 1.事の発端 発端は、昨年の私法学会の民法シンポジウムで、コメンテーターとして呼ばれた商法の藤田友敬先生のコメントに対して、シンポの報告者(その多くは民法学者)およびシンポでの質問者はほとんど反応を返さなかった、というところにある。 なお、商法の森田果君から報告者への質問は、本質的には藤田さんのコメントと同趣旨であったのだが、こちらも報告者には理解されたなかったようである。 注:私は商法シンポにいたので、あくまで「私法」の記録から推測しているにすぎません。 これについては、報告者による報告を午前に行い、昼休みに質問表の記入・回収をし、再開後にコメンテーターが登壇したことから、質問者
このエントリーを、この問題を提起してくれた修了生のA君と、その他すべての修了生に捧げます。 なお、挨拶(近況)は、エントリーの最後にあります。 株主総会決議の取消の訴えが継続中に、事情変更があったときに、訴えの利益が事後的に消滅するか、という有名な問題です。 〔問題〕 昭和40年5月の株主総会で、取締役6名が選任されたが、この総会決議には招集手続の瑕疵があったため株主Xから決議取消の訴えが提起されました。しかし、審理中である昭和42年5月に定時総会が開催され、6名の取締役につき選任決議がなされ、元の6名は任期満了により総会終結時に退任しました(同じ6名が取締役に再選されました)。このことによって、Xの訴えの利益は失われるでしょうか? 最判昭和45年4月2日・会社法百選47事件によると、答えは「イエス」で、「特別の事情」をXが主張・立証しない限り、訴えは却下されることになります。 しかし。代
最近、私は、「ロースクールは、吉本総合芸能学院(NSC)みたいなものだ」、という(謎の)仮説を立てているのですが、全方面からきつ〜いバッシングを受けること間違いなしなので、その内容は(もし残っていれば)10年後にこのブログに書きたいと思います。 さて、標記は、ビジネス法務2008年3月号54‐66頁。到着後、直ちに読了(目先の仕事から現実逃避・・)。 今度の5月に第3回新司法試験を受ける方で、企業法務に多少なりとも関心のある方は、試験終了直後に、現在ローの1・2年生の方は(企業法務志望でなくても)期末試験終了直後に、お読みになることを強くお勧めします。 法曹人口・合格者数問題や、ロー教育のあり方、将来の企業法務(部)の姿(社内における報酬体系など)等々についても率直な意見が披瀝されていて、大変に興味深いものですが、さしあたり、ロー生と企業法務に関連する部分から、順不同で要約します。 <企業
1月31日 追記あります。 toshiさん経由 YOMIURI ONLINE「第三者割当増資を規制 東証方針 株主総会の同意など検討」。 きょうは、このテーマを取り上げたいと思います。 東京証券取引所は、株式会社の資金調達方法の第三者割当増資について、独自の規制に乗り出す方針を固めた。(中略)上場企業が第三者割当増資のため一定割合以上の新株を発行する際、株主総会の事前同意を義務化するなどのルールを2008年中にも策定する方向だ。 以下、コメント。上場会社のみを念頭に置いています。 ・「総会で第三者割当てを行うこと」についての定款規定は不要なんでしょうね。定款規定なしに決議しても「法律上は単なるアンケートに過ぎない」のかもしれませんが、自主規制として定めるならば別に問題はないはず。 ・財務悪化企業が第三者割当てを行う場合には、toshiさんも指摘しているように例外が必要です。NYSEでは、そ
茉奈佳奈ちゃん、すっごくキレイになりましたね。 でも、俺は「ふたりっ子」の頃をずっと忘れないぜ。 --------------- よく考えたら、金商法施行後の最初の更新です。 そう思って日経新聞を読むと、9月の日経シンポの模様が2日の朝刊およびウェブに出ていますね(磯崎さんのブログ・10月2日<http://www.tez.com/blog/archives/001008.html>をご参照ください、と手抜き)。パネルディスカッションの全文から、面白かった点を以下紹介します(言い回しは、私の言葉に変えてあります)。 ・発行市場やM&Aに関連するインサイダー取引(の認知数)が増加している。 ・買収ファンドの裏側にいる真の株主について、現状は透明性が十分でない。 ・(ゴールドマン・サックス証券 M&A統括責任者の矢野佳彦氏) 敵対的買収において、買収者と現経営陣の事業計画の優劣を比較することは
(大変申し訳ありません。計算間違いに気付きました。9月18日・午前9時40分頃、大幅に追記あります) (19日・午後7時過ぎ。HTMLでの文字の消し方を覚えたので、誤った箇所を消しておきます) -------- セクシ〜・ソ〜ング、カモ〜〜ン!(笑) ------ お知らせ・その1 9月15日号の商事法務に私の原稿が掲載されたのですが、 その最終頁・中段の太文字の 「控訴棄却」は 「公訴棄却」の誤りです。ああ恥ずかしい・・・ お知らせ・その2 上村先生の「幻の意見書」が公開されています。 http://www.21coe-win-cls.org/070626uemuraikensho_bulldog.pdf ---------- 以下は、9月14日の話題の続きです。 14日の記事では、開示資料を読み込む時間なしに書いたのでおとなしい書き方にとどめました。 分かりやすい分析がここ(http:
新司法試験に合格した皆さん、おめでとうございます。 この機に、皆さんと一緒に勉強することで、教師の私が非常に視野を広げられたことにつき、御礼を申し上げます。 そして、今回残念ながら合格できなかった皆さん。 教育者としても、例の疑惑問題についても、私の力が及ばなかったところがなかったとはいえませんが、今後も微力ながら皆さんへのサポートは続けていこうと思っています。 さて、今日のネタは、社名は敢えて出しませんが、こっち(http://yamaguchi-law-office.way-nifty.com/weblog/2007/09/post_5ea7.html)とか、あっち(http://www.tez.com/blog/archives/000996.html)で話題になっている株式併合による一般株主の締め出しについてです。 新司法試験に合格したばかりの、これで嫌いな会社法の勉強から解放され
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