革新的な遺伝子編集テクノロジーがブタの臓器をヒトに移植する未来への扉を開けた。 異種移植と知られるこの移植法だが、ブタの細胞内にブタ内在性レトロウイルス(PERV)が存在するために実現が阻まれてきた。このウイルスは人間への感染が危惧されるからだ。 しかし最新の研究によれば、CRISPRという遺伝子編集技術によってウイルスを取り除くことが可能になった。いまや今後2年以内にブタからヒトへの移植手術が実現すると予測されている。 研究を主導するバイオテクノロジー系スタートアップ「eジェネシス(eGenesis)」は声明の中で、「本研究は異種間のウイルス感染に関する安全性への懸念に対する取り組みとして重要な進歩です。弊社チームは今後もPERVのないブタ株の操作を進め、安全かつ効果的な異種移植を目指します」と述べる。 『Science』に掲載された研究は、ウイルスのDNAを豚細胞から取り除いた上で、細