JR三島会社というのは、旧日本国有鉄道を解体したときにできた、北海道、四国、九州の三つの島(三島、「さんとう」です)の会社のことですね。 そうです。本州を三分割して生まれた、東日本、東海、西日本のJR各社は、完全民営化が完了し、いまでは、立派な上場企業ですが、JR北海道、JR九州、JR四国のJR三島会社は、依然として、収支の均衡すら実現できないでいます。つまり、赤字経営を続けているのです。その穴をうめるのが、経営安定基金の仕組みです。今回は、そのからくりを論じてみようと思うのです。 最初に、経営安定基金とは何でしょうか。 実は、JR三島会社の経営安定基金を論じるのは、今回で二回目です。2009年7月23日の論考「JR三島会社の経営安定基金と大学財団」のなかで、仕組みを詳しく説明しておきましたので、参照していただければ幸いです。 JR三島会社(およびJR貨物を加えた4社)は、旧日本国有鉄道解