「あんたたち!事故だけはしないようにしなさいよ!」 今から約二十年前、江東区南某駅前のマンションの10階から、目下に溜まっている不良少年たちに大声で叫んでいるおばさんがいた。 当時のそのエリアは、2世以降の中国残留孤児らを中心とした"D"という集団が幅を利かせていた。 グレにグレた少年たちは凶悪化の一途を辿り、新聞やお茶の間を騒がす大事件なども起こしていく事になるのだが、そのおばさんは物怖じもせずに少年たちを注意して回る。 注意して回る、は語弊があるか。 気にかけていた、と言った方が正確かもしれない。 「おいあのうるせえババア誰だよ?」 その集団の十代目の長であるFがそう聞くと、仲間内の後輩Aが「あの人…俺の保護司さんなんです…」と恥ずかしそうに言ったそうだ。 美しく塗装されたCBXのアクセルを数回空吹かししてから、Fたちはその場を走り去る。 不思議なおばさんもいるもんだ。 サイレンサーを
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