回復の兆しが見えない日本の不動産市況。だが、ある現象が水面下で起こっている。中国、台湾、香港などの個人投資家が日本全国の不動産を買い進めているのだ。マンションからホテル、別荘地に至るまで広がる“中華マネー”。不動産市況回復の一助となるのか。 7月のある日。都内の有名シティホテルに上海から観光客の一団が到着した。スイートルームに宿泊しショッピングを楽しむ彼らの真のターゲットは、銀座のブランド品や秋葉原の家電ではない。滞在期間のうち丸2日間、朝から夕方まで見て回る、都内の新築マンションのモデルルームや、中古マンションである。彼らは中国の旅行代理店、日本之窓が企画した不動産投資ツアーの参加者なのだ。 「将来長女が日本に留学するときのために、マンションの購入を検討している」「利回りのいい中古物件を買って運用したい」。なかにはまだ20代の若い参加者もいる。 日本之窓はこれまでに数回、上海での投資説明
