「国債のさらなる買い入れが必要だ。必要なだけ、いくらでも買う」。日本銀行の黒田東彦総裁はそう強調した。 4月27日の金融政策決定会合で、2会合連続の追加緩和に動いた日銀。3月16日の会見ではときおり笑顔も見せていた黒田総裁だが、今回は終始緊張感のある面持ちで、危機感を強めた印象だ。 景気に対する見方も変わった。3月時点では「感染拡大が収束すれば、(景気の)回復は急速だろう」としていたが、「当面厳しい状態が続き、感染拡大が和らいでくれば徐々に改善していく」とトーンダウンした。 今回の追加策で最大のポイントは、国債買い入れにおける「年間80兆円をめど」という上限が取り払われたこと。これにより日銀は事実上無制限に国債を買い入れることができるようになる。 すでに欧米の中央銀行が先行 一見すると大胆な措置にみえるが、米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)は3月末に、国債買い入れの上限