前回に続き、『ポスト消費社会のゆくえ』について印象に残った点をメモしておきます。 まずは、「流通小売業」という業界についての辻井さんの認識について。1990年代以降の「セゾンの失敗」について議論の中で、グローバリゼーションによって市場が激化し、その結果としてセゾンも淘汰されたという認識を上野さんが示したのに対して、辻井さんは次のように答えます p. 247 流通小売業はその地域、その地域に住んでいる人に向かい合うという地場産業です。グローバリゼーションからは除外される業種に属しているように思うんですね。 地場産業であるということを、あたかも遅れた産業であるというふうに、すり替えて認識する。これが古いタイプの近代主義の本質的な誤りだと思います。ですから、西武百貨店や西友がうまくいかなかったことの理由はそこのところにあるのではなくて、これはまさに経営者の不適格にあると思います。 グローバリゼー