前回記事Rにさいころをたくさん振らせて、さいころの平均を求めてみる - わかばめにっきでは、Rの擬似乱数を使って標本平均が母平均の一致推定量であることを示しました。今回は後で述べる不偏標本分散という量が母分散の不偏推定量であることを調べていきます。 ところで母平均と母分散の定義ってなんだっけ? 確率変数 が離散型、つまり実現値の個数が 個であって、それぞれの確率が のときを考えます。このとき、母平均 、母分散 はそれぞれ により与えられます。一方で確率変数 の連続型のときは、確率密度を とすると、母平均 、母分散 はそれぞれ により与えられます。母平均は確率変数の期待値を、母分散はどれくらい散らばりやすい確率変数かを表しています。 理想的なさいころの母平均と母分散はどうなる? 確率変数 が理想的な確率分布 に従うとき、そのまま計算すれば、 となり母平均は 3.5、母分散はおおむね 2.91