オブジェクト指向は,現実世界をそのままプログラムに表現できると言われることがありますが,それは正しい理解ではありません。オブジェクト指向プログラミングの仕組みと現実世界は「似て非なるもの」であり,「プログラミング技術」と「汎用の整理術」の二つの側面があります。オブジェクト指向は,それ自体が複雑で難しいものではなく,あくまでソフトウエア開発をラクにする技術にすぎません。 オブジェクト指向はしばしば,とっつきづらく難しい技術と言われます。その理由の一つには,対象とする分野が広く,それぞれに深みがあることが挙げられます。しかし,それ以上にこの技術を難しくしている落とし穴とも言うべき原因が二つあると筆者は考えています。それは比喩(ひゆ)を乱用する説明の仕方の問題と,「もの中心」を意味するコンセプト自体の問題です。 そこでこの記事では,「オブジェクト指向という言葉をよく聞くけど,実際どんなものかよく
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