ついに『失われた時を求めて』の最終巻である14巻を読み終わった。記録によると、2019年4月1日に1巻を読み終わっているので、およそ1年ちょっとの間、読みつづけていたらしい。ちなみに前半は光文社古典新訳文庫、後半は岩波文庫で読んだ(光文社版はまだ6巻くらいまでしか出ていないはず)。 つらい戦いだった。正直言ってこれまでの読書人生の中での最難関と思うくらいにはつらかった。何がつらいかというと、途中までまったくおもしろさがわからなかったことだ。8巻くらいでようやくコツをつかみ、それ以後は楽しく読めるようになったのだが、そこにいたるまではまったくおもしろさがわからず、本当につらかった(むしろその状態で8冊も読んだという我慢強さに感心してほしい)。 何がつらかったか。ひとつには趣味の問題がある。小説というものを、仮に、「何が起こったか(出来事)」と「それに対して何を感じたか(思念)」の2つの構成要
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