毒殺説が浮上していたパレスチナ自治政府の故アラファト議長の刑事告訴について、フランスでの予審の手続きが打ち切られる見通しになった。AFP通信が21日伝えた。墓を開いて調べたところ、毒性が強い放射性物質ポロニウムが検出されたとされるが、自然界に存在する放射性物質ラドンが変化したものだと説明できるとの見方を示しているという。 アラファト氏は2004年、入院していたパリ郊外の病院で急死。毒殺の疑いが濃いとして、妻子が被疑者不詳で刑事告訴していた。フランスの専門家らは、アラファト氏の体調が悪化する直前の尿の検査結果なども調べたが、そこでもポロニウムは検出されなかったという。これらの理由から仏司法当局は、毒殺説の根拠は不十分だとの立場にたっている模様だ。(パリ=青田秀樹)
![アラファト議長毒殺疑惑、予審手続き打ち切りの見通し:朝日新聞デジタル](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/e3ca10673ca943e26cb6bd295a698cb03bc2ec80/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.asahicom.jp%2Fimages%2Flogo_ogp.png)