ロシアがウクライナ北東部で始めた作戦で何を達成しようとしているにせよ、それはあまりうまくいっていない。ロシア軍は新たな戦線を開いて本格的な攻勢をかける腹積もりなのかもしれないし、あるいは陽動によって、現在の攻勢の焦点である東部からウクライナ軍の兵力の一部を引き離す狙いなのかもしれない。しかし、どちらにしてもロシア側にとって望ましい方向には進んでいない。 ロシアの対独戦勝記念日の5月9日、ロシア軍部隊がハルキウ州に侵入した直後はウクライナ領土防衛隊の軽装備の現地部隊が単独で応戦したが、その後、重装備の部隊が増援した。ロシア側は歩兵の突撃部隊を戦車で増強しようとしたが、それらの戦車はウクライナ側のドローン(無人機)に狙われ、破壊された。 前線の状況は安定しつつある。両軍の部隊が個々の建物をめぐって戦い、膠着状態になってきている。ウクライナの従軍記者ユーリー・ブトゥソウは「ハルキウ州北部でのロシ