文部科学省が自民党国会議員の指摘を受けて前川喜平・前事務次官の授業内容を報告するよう名古屋市教育委員会に求めた問題で、文科省が国家公務員制度改革基本法に基づく政官接触記録を作成していなかったことが、毎日新聞の情報公開請求で判明した。この問題では教育現場への「不当な介入」が問題視されており、専門家は「政治家からの働きかけは全て記録しておくべきだ」と指摘している。【伊澤拓也】 文科省によると前川氏は今年2月16日、名古屋市立の中学校の総合学習の時間に講演会を行った。この授業を地元紙が報じた17日、赤池誠章参院議員から同省側に「国家公務員違反者が教壇に立てるのか」と連絡があり、19日には池田佳隆衆院議員から地元紙の提供を受けた。