2010年7月15日 診断システムを通して見た「はやぶさ」 元診断システム担当 水谷 光恵((株)富士通アドバンストソリューションズ) 「はやぶさ」帰還時の映像――夜空に、燃え尽きていく「はやぶさ」本体の傍らで、輝き続ける大気圏突入カプセルの映像――は、とても印象的でした。「はやぶさ」が燃えるのを見ていたら、もうどうやっても「はやぶさ」からテレメトリデータは来ないのだと実感して、診断システムも役目を終えたのだと思いました。 私はSEとして、「はやぶさ」の診断システムの構築と運用支援を担当していました。診断システムは、テレメトリデータ(探査機から電波で送られてくる探査機本体や内部機器の情報)、軌道データ、地上局データ、運用情報、などを取り込んで、「はやぶさ」の健康状態を自動的に監視診断して安全運用を支援するためのシステムです。 診断システムの構築は、1990年12月から、磁気圏尾部観測衛星G