■保育園時代に「会食恐怖症」に 県内の子どもや若者を取り巻く状況を見つめた「2024長野の子ども白書」が刊行された。第1章は「子どもの声に応答する社会に」と題し、多様な生きづらさを抱えた子どもたちの声を紹介している。子どものSOSにどう気付き、応えることができるか―。執筆者の1人で、人との食事で極度の不安に襲われる「会食恐怖症」に苦しんできた大学生の桜子さん(21)=仮名=に体験を聞いた。 (近藤理彦) ■みんなの前で謝らされた日 会食恐怖症のきっかけは保育園時代。通っていた県内の園は給食の「絶対完食」を掲げていた。時間内に完食できないことが多かった桜子さん。ある日、担任の保育士は給食を残した桜子さんをみんなの前に立たせて謝罪を求めた。 「いつもご飯を残してしまってごめんなさい。明日からはちゃんと食べます」。友人の視線を浴びながら、涙ながらに発した言葉を今も鮮明に覚えている。この日以来、家