東日本大震災後の自粛ムード、慶事の祝賀ムードなど、世の中の「空気感」(集合的な感情、collective emotionと本文では呼びます)は、実体経済にも大きく影響するにもかかわらず、それを捉えることは極めて困難です。また、正解データもないためその妥当性の評価も困難です。本研究では、この問題に対し10年間の約36億記事のブログデータを用い、なるべく簡単な手法で、答えの1つを提供します。 背景 近年、TwitterやFacebookなど個人が自由に書き込みができるソーシャルメディアの書き込みを集め、ぼんやりとみんなの感じている、空気感や幸福感を抽出する研究が可能になりました。さらに、より具体的に、疲れや落ち込みなどの感情も抽出し、日照時間など実世界との比較をする研究も増えています。しかし、感情の持つ季節や曜日の周期性、特に感情の持つ長期記憶に関しては、データが不足していることもあり、あまり