小麦や大麦は人類最古の作物のひとつとされ、今から約1万年前には、すでにその栽培が始められていたと言われています。このことは、これまでに発掘された多くの遺跡から小麦の穂などが発見されていることからも分かります。 当初は麦や雑穀類の混ざったものを、石と石の間にはさんで砕いてから焼いて食べていました。その後、土器が生まれると粗挽きにした麦をお粥のようにして食べたと言われています。 パンの誕生 今から約5千年前(紀元前3,000年頃)の古代エジプトでは、平たい石の皿に小麦の粒を入れ、その上から体重をかけて石ですりつぶすサドルカーンという石臼で小麦を挽き、それに水を加えてよくこねて、パンを焼いていたようです。ただし、この頃のパンは現代のものとは別のもので、平たく、ふっくらしてはいませんでした。 しかしあるとき、こねた生地をすぐに焼かないで放っておいたら、生地が大きく膨らみました。暑い国のことなので、