韓国人の学者たちが、最大のタブーである「反日批判」に真っ向から異を唱えた『 反日種族主義 』。その日本語版刊行に尽力した産経新聞編集委員である久保田るり子氏が、『 反日種族主義と日本人 』(文春新書)で、『反日種族主義』の編著者である李栄薫氏と対談を行った。韓国の歴史学者は、韓国併合条約をどのように見ているのだろうか。 【写真】この記事の写真を見る(6枚) ──韓国の保守派は歴史観の確立を放棄したのでしょうか。 「日本との関係を包括して歴史観を確立するには、まず、日本統治が始まる以前の朝鮮王朝とは何だったのかを理解しなければなりません。朝鮮王朝は中華帝国の諸侯として、非常に閉ざされた世界にありました。その時代が500年間も続きました。長い間、中国を頂点とする国際秩序が我々の社会の原理でした。中国の皇帝の下に朝鮮の王がおり、その下に両班がおり、その下に一般の人々がいる。中国の皇帝は、言わば『