2015/7/30 今年のカンヌで最も聞かれたのは「ゲーム・チェンジ」という言葉だ。デザイン部門も、メディア部門も、サイバー部門も、モバイル部門も、審査委員長たちはこぞって、この言葉で審査基準を語った。広告の役割は、商品の機能や価値を伝え拡散することにとどまらず、人々の生活や行動を変え課題を具体的に解決する「アクティベーション」「ソリューション」へ──。「広告」祭から「クリエイティブ」祭に名前を変えて4年。拡張する広告やデザインの世界をカンヌで追った。 「人の導線や文脈もデザイン」、人を動かすかに焦点 「ゲーム・チェンジ」が際立つ中でも、特に日本の広告関係者が衝撃を受けたのが、デザイン部門の受賞結果だ。 グランプリに選ばれたのは、自動車メーカー・ボルボ(VOLVO)の「LIFE PAINT」(制作:GREY LONDON)。洋服や靴、ヘルメット、自転車などに吹き付けると、車のヘッドライトに