『週刊文春WOMAN』2019年夏号で百合マンガの現在について書いた。その取材中、頻繁に耳にしたのが、SFのサブジャンルのひとつ「百合SF」だ。 このジャンルが広く注目を集めたのは、2018年12月発売の『SFマガジン』で百合SF特集が組まれて以降。苦戦をしいられる文藝誌において異例の発売前重版&3刷を重ねた同誌を皮切りに、同誌掲載作を収録した『アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー』も好調な売れ行きをみせている。 百合SFを大特集した『SFマガジン』2019年2月号は創刊以来初の3刷に 2018年末に発売されて3刷を数えた『SFマガジン』百合SF特集号。表紙は伊藤計劃『ハーモニー』の装画(シライシユウコ画)を使用。溝口さんは、「品切れ中に年末年始を挟み、いい意味で飢餓感を煽った側面もあったと思います」と冷静に分析。ここからブームは始まった。 百合SFは異例の売り上げ 百合マンガ界唯一