映画や小説など他の芸術ジャンルとRPGとの違いを考えた際に、やはり際立った特徴となるのが「背景世界」なのではないか、と僕は考えています。 RPGは、物語構造と完全に切り離したうえで独自の設定を構築していくことが可能なジャンルであり、設定の持つ特性や手触りのようなものを尊重したうえで、現実世界とはまた異なった、その世界固有の因果律を有した世界観を構築していくことが可能となっています。イメージや幻想性を活かしながら、そのうえで人間が生きて動いて、ドラマを乗せていくことのできるような背景世界が存在しうるところに、RPGならではの楽しさは根づいていると言えるでしょう。 これは片方にSFや幻想文学、もう片方にウォー・シミュレーションゲームを「親」として持つ、「RPG」の特性なのですが、こうした「設定の面白さを伝えていくこと」は、僕の大事なテーマの1つで、『R・P・G』Vol.4(国際通信社)の「地図