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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/keisai-dousureba (54)

  • 緊縮速報・増税で却って財政再建に遅れ - 経済を良くするって、どうすれば

    では、消費増税が目的化しているので、経済成長どころか、財政再建すら犠牲にして推し進められる。増税後、景気対策の支出が剥落した段階の2021年度の基礎的財政収支のGDP比は-2.0%と、増税前の2018年度の-1.9%より、わずかながら悪化する。これでは、何のための消費増税なのかと、脱力してしまう。増税で成長を低下させ、他の税収が減るのを、消費増税で補う形なのだ。財政収支が改善しないなら、純増税なぞ試みない方がマシではないか。消費増税そのものにサディスティックな喜びを感じるというのでないならね。 ……… 1/17に「中長期の経済財政に関する試算」が公表された。世間的には、2025年度に財政再建の目標を達成できるかばかりが注目されているようだが、経済的には、財政収支は、ゆっくりでも改善していれば、リスク管理には十分である。実際、基礎的財政収支のGDP比は、2015年度に-2.9%だったもの

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    advblog 2020/01/20
  • 景気が無に帰したアベノミクス - 経済を良くするって、どうすれば

    10月の景気動向指数は、先行指数に続いて、一致指数も95を割り、アベノミクス開始時の6年前の水準となった。アベノミクスでの景気回復は、無に帰したことになる。しかも、今後、L字で推移する公算が高く、希望退職が6年ぶりに1万人超えというのも当然だろう。また、消費動向指数は99.5と、6年間で最低だった2014年7月の99.3とほぼ同じ水準まで下落し、こちらも逆戻りである。そうした中、2019年度の税収は、不況にも関わらず、消費増税のお陰で前年度を超え、過去最高を更新する見込みだ。経済対策をするといっても、一時のバラマキだから、出生数の90万人割れをよそに、財政は安泰である。 ……… 景気動向指数は、既に先行指数が5月の段階で95を割り、アベノミクスで最低を記録していたが、10月に一致指数も大きく下がって、2013年2月以来の低水準となった。深刻なのは、一致指数の重要な構成項目の鉱工業生産の11

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    advblog 2019/12/09
  • 1-3月期GDP1次・景気はもっと悪くなる - 経済を良くするって、どうすれば

    1-3月期GDPの1次速報は、若干のマイナス成長になるとの大方の予想を覆し、実質年率2.1%の高成長であった。むろん、その高成長に内実はなく、弱い内需を映す輸入減によるもので、そうした分析が広く知られたことは幸いだった。ただ、エコノミストの読み違えは、これが理由ではない。設備投資が不可解なほど粘りを見せたためである。すなわち、設備投資には、もっと悪くなる可能性が潜んでおり、今後の景気の行方には、相当な警戒が要るということだ。 ……… 今期のGDPの特徴は、消費、設備投資、輸出という重要な3つの需要項目が揃ってマイナスに転じたことである。前期比-0.2となった家計消費(除く帰属家賃)は、けっこう深刻な状況にあり、237兆円台は、消費増税前どころか、アベノミクス開始時の2013年1-3月期をも下回る。6年の時を経て、国民生活をまったく豊かにできていない。当然、10月の消費増税までに、2014年

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    advblog 2019/05/26
  • 平成金融史の背景と教訓 - 経済を良くするって、どうすれば

    西野智彦さんのは、すべて読んでいて、話の筋は承知しているはずなのに、『平成金融史』(中公新書)では、臨場感ある展開に引き込まれ、読む手が止まらなかった。金融危機の当時は、目くるめく出来事の中で、どんな事態になっているのか、正直、分かっていたとは言えず、後にして思えばということばかりである。そして、改めて西野さんの新著を読んで思うのは、繰り返えされることが起こっていたに過ぎないということである。 ……… 平成の金融にとって最大の課題は、バブル崩壊後にできた不良債権をいかに処理するかだった。ただし、それは、会計的には自明でも、マクロ的にどんな意味を持つかは別である。なぜなら、融資で買った土地が半値に落ちて不良債権になった側がいる一方、土地を売って濡れ手でアワの利益を現金で確定させた側もあるからだ。不良債権の処理は、これに充てる銀行の資産を減らすが、地主の資産はバブル前より増えているので、いわ

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    advblog 2019/05/05
  • アベノミクス・1-3月期はマイナス成長の恐れ - 経済を良くするって、どうすれば

    先月のコラムで、景気後退期にある可能性を指摘したが、事態は悪化の様相を見せており、1-3月期はマイナス成長もあり得る形勢となってきた。むろん、そうなれば、アベノミクスのイザナミ景気超えは、幻だったことになる。もはや、去年の実質賃金のプラマイの議論に熱中している場合ではない。不況下で消費増税をする愚行から、いかに緊急脱出を図るのか、真剣に考えるべきときに至った。 ……… 2/28公表の1月の鉱工業指数、住宅着工、商業動態のどれもがネガティブ・サプライズで、心配していたことが現実となった。鉱工業生産は、前月比-3.9と大きく下がり、3か月連続の低下である。2,3月の予測指数を基に計算した1-3月期の前期比は-1.5に落ちてしまう。この水準は、災害のために大きく低下した7-9月期とほとんど変わらない。しかも、予測指数の実現率の低さを踏まえれば、更に下ブレする可能性が強い。 設備投資の動向を示す資

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    advblog 2019/03/03
  • ケインジアンが読む「そろそろ左派は経済を語ろう」 - 経済を良くするって、どうすれば

    マルキストの経済書を手にするなんて、滅多になくてね。でも、ブレイディ・みかこさんの気風の良さが好きで『そろそろ左派は<経済>を語ろう』を読んでしまったよ。筆者も齢で、まさにオールド・ケインジアンだから、資主義の擁護者になるわけだが、世の中がどんどん右へ行ってしまい、昔は保守流のど真ん中にいたのに、いつしか左に位置するようになった。国民のための経済を語らなくなったのは、右派も同じだと思うな。 ……… 筆者の信条は「経済成長を実現し、福祉国家を建設する」である。これは、高度成長期には、自民党の党是だった。今の世の中は、「経済成長はムリだから、福祉国家を抑制する」になり、果ては、「経済成長のため、福祉国家を圧縮する」なんて倒錯した主張まである。筆者は、経済成長も、少子化克服も政策次第と考えるから、敗北主義にしか思えない。若い人たちが将来を悟って達観するなんて、おかしくないか。 ポイントは、ど

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    advblog 2018/05/27
  • 消費速報・名目の消費は極めて好調 - 経済を良くするって、どうすれば

    来週、公表される1-3月期GDPでは、消費は低調という結果になるだろう。ただし、それは、実質で見た場合であって、名目では極めて好調だ。名実の乖離は、天候不順に伴う生鮮品の上昇による一過性のものだから、むしろ、基調は強い。この背景には、雇用と賃金の伸びがあり、少しずつ物価にも及んでいる。「実感がない」と言われ続けてきた景気回復も、様相を変えてきている。 ……… 5/11に、GDPの消費に近い内閣府・消費総合指数が公表され、3月は前月比-0.5と大きく落ち、1-3月期は前期比-0.3となった。これでは、1-3月期GDPがマイナス成長になるとの見方が強まるのもやむを得まい。また、日銀・消費活動指数+も、3月が前月比-1.0もの急落となり、これにより1-3月期の前期比も-0.3に下がった。2月公表時での1,2月の平均は前期比+0.4であったから、かなり大きな変動だ。 興味深いのは、消費活動指数(

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    advblog 2018/05/13
  • 緊縮20年が作った新・日本の階級社会 - 経済を良くするって、どうすれば

    1997年の大規模な緊縮財政で、日はデフレに転落し、景気が上向くと緊縮で芽を摘む繰り返しで20年が経過した。就職氷河期となり、ワーキンクプアのまま取り残され、結婚ができなかったり、子供の貧困を起こしたりして、アンダークラスは再生産されるように至り、格差社会は、階級社会へと固着する。かつての成長最優先の所得倍増路線が平等化を進めたのに対し、今の財政再建至上の緊縮が階級を形成した。実はシンプルな話でしかない。 ……… 橋健二先生の『新・日の階級社会』は、アンダークラスという名の非正規にしか就けない新たな最下層階級が日に形成された実態を記すものだ。アンダークラスは、929万人で就業人口の15%ほど、平均個人年収は186万円と極端に低く、貧困率は38.7%、女性では48.5%にも上る。男性の有配偶者はわずか25.7%、女性の離死別者は50歳代には80.0%にもなる。むろん、生活や仕事への満

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    advblog 2018/02/12
  • 2%成長と消費の行方 - 経済を良くするって、どうすれば

    今週は、消費活動指数と消費総合指数が公表され、前者は前月比+0.5と予想どおりだったが、後者は+1.2にもなり、ちょっと驚きだったね。家計調査の消費水準指数(除く住居等)が+1.3だったから、活動指数よりも高いとは思っていたが、予想外だった。これで、10,11月平均は、7-9月期比で+0.5になったので、12月次第であるにせよ、10-12月期の消費は、年率2%成長になる可能性が出てきた。他の需要項目も堅調だから、むろん、GDPも2%成長があり得る。「潜在成長率はゼロ%前半」と言われてきた日経済だが、3期連続の2%超成長でイメージを一新することになるかもしれない。 ……… ニッセイ研の斎藤太郎さんが、また良いレポートを出してくれた。『日経済のジレンマ~消費主導の景気回復は実現しない~』(1/12)である。内容は、景気回復期において、米国はGDPと消費の伸びがほぼ等しいのに対して、日は消

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    advblog 2018/01/14
  • 緊縮速報・進む財政再建、置き去りのデフレ脱却 - 経済を良くするって、どうすれば

    では、「政府債務はGDPの2倍、もっと緊縮を」という、数字と事実をろくに見ない「バカの一つ覚え」が猖獗を極めている。経済財政の運営を論ずるには、成長とバランスする、どの程度の緊縮が可能かという、もう少し緻密な議論が必要である。「B1財政」の強弁は、「鎧袖一触で紛争解決」の主張と同じくらい危険なものだ。そこで、数字と事実を見せるため、資金循環統計の発表に合わせ、年に6回ほど、「緊縮財政速報」をお届けしたいと思う。今更、こんな基礎的なことを、何で年寄りがさせられるのかとボヤきつつも。 ……… 最新の財政収支を知るには、日銀・資金循環統計の資金過不足を見るにしくはない。四半期ごとの数字を参照せずして、財政の状況を語るなかれだ。12/20公表の2017年7-9月期の速報によれば、公的年金を含む一般政府の収支は、アベノミクスがスタートした2012年10-12月期からの5年間に、GDP比で-8.8

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    advblog 2017/12/24
  • 底辺への競争をもたらしたもの - 経済を良くするって、どうすれば

    山田昌弘先生のは、いつも興味深くて、『パラサイト・シングルの時代』以来、長く読み続けているのだけれど、団塊ジュニア、俗にロスジェネ世代の悲惨な運命を見るようで、だんだんに辛くなってきたよ。新著の『底辺への競争』は、名目ゼロ成長の20年間に、満足に就職も結婚もできなかった世代が寄る辺なき老後を迎えるという物語だ。山田先生は社会学者で、エコノミストではないので、今回は、なぜこうなったかと、どうすべきかを補ってみたい。 ……… 端的に言えば、日は、1997年から摘芽型の緊縮財政を始めたからである。これは、成長より財政再建を優先し、景気が上向いたところで緊縮を始め、格的な成長に至らせない政策である。そのため、雇用が引き締まらず、賃金上昇は鈍く、消費も停滞して、デフレが続くことになる。残念ながら、それでは設備投資も出ず、成長もしないから、財政再建もできずに、緊縮は半永久的に続く。裏返せば、雇用

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    advblog 2017/11/13
  • 財源なしで大規模な乳幼児給付を行う方法 - 経済を良くするって、どうすれば

    欧米で最大の社会問題は、若年失業と就業促進だ。それゆえ、負の所得税やベーシックインカムが提案される。しかし、日には、雇用の量の問題はない。あるのは非正規労働者への差別的待遇だ。したがって、第一に考えるべきは、いかに社会保険の適用拡大を図り、公平な給付を実現するかになる。例えば、パートは、事実上、育児休業給付を受けることも、乳幼児を保育所に預けることもできない。こうした苦境を、どう変えるのか。この国に財源はある。ないのは現実に根差した理想である。 ……… 問題を解決するために、公的年金を財源として、0歳の始めの6か月間は月14万円、その後、2歳になるまで10万円を給付してはどうか。総額では1人264万円になる。老後に受け取る年金の約1割を、前倒しで受給する形を採れば、新たな負担はまったく必要ない。むろん、受給したくない人は、選ばなければ、従来どおりである。この額は、正社員が雇用保険から受け

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    advblog 2017/10/23
  • 4-6月期GDP1次・成長力の覚醒と解放 - 経済を良くするって、どうすれば

    緊縮なければ、成長する。さすがに、年率4%成長に届くとは思わなかったがね。第一生命研の新家さんも指摘するように、過去1年の最終需要は、2016年7-9月期+2.9%、10-12月期+2.5%、2017年1-3月期+2.1%、この4-6月期+3.8%であるから、潜在成長率がゼロ%台と言うこと自体が現実にそぐわなくなってきた。日経済は、2%後半の成長力を持ち、それを実証して見せた。成長力の覚醒と解放と呼ぶにふさわしいではないか。 ……… 一体、日経済に何が起こったのか。昨年後半から成長戦略が機能しだしたと主張する人は皆無だろう。あれほど成長に必要と叫ばれながら、これと無関係に成長は始まった。要は、成長戦略など、どうでも良かったのである。それどころか、目玉の国家戦略特区は、経済成長より政治腐敗を実現してしまった。産業政策には癒着が付きものという、昔からありがちな成り行きである。 成長起動の主

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    advblog 2017/08/20
  • ベーシックインカムと緊縮財政 - 経済を良くするって、どうすれば

    ベーシックインカム(BI)への支持が広がらない最大の理由は、「生産していないのに、どうして消費が許されるのか」という素朴な疑問だろう。ルトガー・ブレグマン著『隷属なき道』は、面白さに満ちていたが、これには答えていない。「お金を集めても、消費も投資もしない者がいる」という論理とセットにしないと、社会制度としてBIが不可欠になるという主張は、成り立たないように思う。 ……… ルトガーの主張のうち、「貧困の解決には、お金を与えるのが一番」というのは、なかなか説得力がある。ホームレスに3000ポンドを与える実験、ケニアでフリーマネーを与える援助を取り上げつつ、歴史をたどり、カナダ・ミンガムでの試み、50年前の米国での保障所得実験、ガルブレイスやトービンらが賛同したニクソン政権の家族支援計画、そして、福祉の失敗例とされるスピーナムランド制度の評価が覆されたことなどを語る。 残念ながら、家族支援計画は

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    advblog 2017/07/16
  • ウォッチャーに見る景気の波及 - 経済を良くするって、どうすれば

    「景気は何を見たらいいですか?」と聞かれれば、景気ウォッチャー調査を勧めることにしている。主観を対象にしたソフトデータであるものの、発表が早いし、先行性もあり、コメントが親しみやすく、納得感があるためだ。調査機関でも、第一生命研の齋藤麻菜さんとか、ニッセイ研の白波瀨康雄さんとか、若手が担当していて、経済を深める恰好の材料になっていると思う。お二人のレポートは、良く書けていて、いつも読ませてもらってますよ。 ……… 6/8公表の1-3月期GDP二次速報は、2.2%から1.0%成長に大きく下方修正され、ちょっとガッカリだった。在庫の違いに過ぎず、最終需要はほぼ同じだから、景気の評価に変わりはないのだが、一次速報の2%超の数字は、昨秋からの急速な景気回復を象徴していたからである。反動で4-6月期が高まるとしても、タイミングがズレた感じになる。そこで、今を表しているデータということで、5月分が出た

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    advblog 2017/06/11
  • 国民の実感としてのアベノミクス - 経済を良くするって、どうすれば

    アベノミクスの評価については、毎月勤労統計で分かるように、雇用の量は増えたが、実質賃金は低下し、所得と消費の向上は不十分で尽きていると思う。これはハード・データの結果だ。他方、国民の主観的な評価はどうか。ここで「人それぞれ」とすることもない。ソフト・データとしての消費動向調査を見れば良いからだ。その内容は、ハードと概ね同じであるが、少し辛目のものになっている。 ……… 経済はハード・データで見るのが基だが、ソフト・データには速報性があり、鋭く変化するので、景気の潮目を判断するのに役立つ。代表的なものに、内閣府の消費動向調査や景気ウォッチャー調査がある。日経は後者を「街角景気」と略称している。どのように使うかというと、例えば、12か月移動平均を作って、原データとのクロスをチェックする。交差点が景気の潮目であり、最近では、2016年の半ば、輸出が増えだした頃である。 国民の実感は、下図を見て

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    advblog 2017/05/14
  • アベノミクス・日本よ、成長は帰ってきた - 経済を良くするって、どうすれば

    1-3月期GDPでは、ついに消費主体の経済成長が実現する。消費は、今期は高めの伸びが期待でき、ここ3期を均した速度は年率1.6%となろう。それは、消費増税で大打撃を与える前の2012~13年の伸びと同レベルであり、日経済の復調を意味する。失われた10期を超え、16兆円もの大損害を残しつつも、成長は帰ってきた。今後は、雇用数の増加に見合う年率2.0%成長へ更に加速できるかが焦点となる。 ……… 3月の商業動態の小売業は前月比+0.2であり、CPIの財が-0.3であったことを踏まえると、実質では、これを上回る伸びとなろう。したがって、3月の日銀・消費活動指数は、若干のプラスが見込まれ、1-3月期の前期比が+0.8まで高まる可能性がある。前期が低迷した反動も含まれるが、ここ3期を均しても+0.6という高さになる。消費の復調と加速をうかがわせるのに十分な数字だ。 また、3月の家計調査は、相変わら

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    advblog 2017/05/01
  • アベノミクス・消費の再出発 - 経済を良くするって、どうすれば

    2月は消費が順調に伸び、前期12月のつまづきもあって、1-3月期の消費は年率2%を超えることになりそうだ。3月の結果が出る頃にば、「雇用逼迫でも、弱い消費」という認識も払拭されるのではないか。安倍政権はスキャンダルに見舞われているが、景気は明るさを増している。その大きな功績は、この4月からの消費増税の見送りだろう。3年かかって、消費は駆け込み前水準の回復まできた。国民生活の向上は、ようやくスタートラインにつく。 ……… 2月の商業動態の小売業は前月比+0.2となり、財の物価上昇は前月比-0.1であったから、日銀・消費活動指数+は、若干のプラスが見込まれる。1,2月平均は、12月が低かったこともあって、前期比+0.6程になろう。このまま3月も推移すれば、その他の需要項目も順調であることから、1-3月期のGDPは高まりそうである。コラムは、前期から上ブレを唱えてきたが、一期遅れで実現される運

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    advblog 2017/04/02
  • 内需不振? だって緊縮してるもん - 経済を良くするって、どうすれば

    シムズ理論を巡り、「ちょうど良い放漫財政なんてできるのか」といった議論で賑わっているが、実際、日が足元で放漫をしているのか、緊縮をしているのかについては、まったく、お留守だ。3/18公表の日銀・資金循環によれば、バブル期以来の財政再建を達成した模様である。これだけ緊縮しているのだから、財政破綻を心配したり、なぜ内需が不振なのかと悩んだりすることもなかろう。タコツボから頭をもたげ、経済の全体を眺めれば、容易に分かることである。 ……… 財政再建を声高に叫ぶ人は、財政しか見ていない。知見の出元になっている財政当局は、担当することがすべてだからだ。しかし、政府全体では、社会保障基金、要は公的年金だが、これが黒字を出しているので、赤字幅は、かなり縮小する。10-12月期の資金循環で、一般政府の資金過不足を見ると、年換算額のGDP比は-2.0%である。この水準は、リーマン・ショック直前を超え、おそ

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    advblog 2017/03/20
  • ミクロとマクロの消費率の異変 - 経済を良くするって、どうすれば

    「家計における非料消費の割合は一定」というのは、50年以上の長きにわたり観測されてきた「法則」だ。収入が増せば、消費も増え、消費が落ちれば、景気悪化で収入も伸びないというメカニズムが背景にあり、調整には、物価と単位労働コストが介在する。それが2015~16年に異変を見せた。「異次元」な経済運営をしているのだから、何だって起こるのかもしれないが、どんな意味を持つか、少し探ってみることとしたい。 ……… 家計調査における勤労者世帯の非料消費が実収入に占める割合は、図1のとおり、極めて安定している。実は、安定の中で、緩やかな上昇と下降を繰り返しており、これが長期的な景気の変動を表している。他方、料消費は、日が豊かになるに連れて、次第に低下し、1997年の大規模な緊縮財政でデフレに転落してから、それは止まっている。つまり、豊かにならなくなったということである。また、税・保険料で圧迫されると

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    advblog 2017/02/26