米エール大学の研究者らは、死後1時間が経過したブタの脳細胞を「かろうじて生きている」状態まで回復させた。写真は今回の研究対象となったブタの脳と、細胞死を遅らせる「OrganEx」の青い溶液。(PHOTOGRAPH BY MAX ALGUILERA-HELLWEG, NATIONAL GEOGRAPHIC) 栄養とタンパク質と薬剤が入った混合液を送り込んで、死後数時間が経過したブタの脳を回復させたとき、米エール大学の神経科学者ネナド・セスタン氏は、生と死を分かつ境界線は考えていたほど明確ではないと悟った。実験の目的は、脳を生き返らせることではなく、脳内の結びつきの研究だったが、2019年にこの衝撃的な研究結果を発表するやいなや、彼の研究室には世界中から問い合わせが殺到した。(参考記事:「死んだブタの脳を回復、脳死の定義ゆるがす研究」) 「エール大学の同僚をはじめ、いろいろな人たちがやってきて