世界の森林減少は、環境保全だけでなく、気候変動の観点からも注目されており、解決が求められています。森林減少の問題解決には、それを引き起こす原因とともに、抑制する原因を明らかにする必要があります。これまでに直接的原因は主に農地拡大であることが明らかになりましたが、根本的原因や森林減少を抑制する原因については様々な要因が議論されてきました。 本研究では、半島マレーシアを対象に、森林面積、土地利用、林業、社会経済に関する長期データ(1970-2010)を用いて、森林面積変化の要因分析を行いました。その結果、貧困削減が森林減少の減速に強い影響を与えたことが明らかになりました。これまで主要因として議論されていた人口増加や経済成長は主な原因でないことが明らかになりました。 この地域では1970年代に森林を開拓して、油ヤシ農園に転換する開発が盛んでした。しかし、油ヤシ農園の拡大は同時に農民の所得を向上さ