日本国内で消費される冷凍野菜の9割以上(100万トン/年)が輸入品である。一方で国産冷凍野菜の生産量は平成初期に10万トンを超えたが、近年では7万トン程度にとどまっている。冷凍野菜の需要は今後も堅調に推移するとみられるが、食料を安定的に確保するためには国産品の生産を促進する必要がある。国産冷凍野菜の拡大には、これまで当たり前に行ってきた冷凍方法、ブランチング処理、解凍方法などについても、改めて知り、考え直す必要があると思われる。 図1は冷凍野菜の一般的な製造工程である。通常、冷凍野菜の製造では冷凍方法が注目される場合が多いため、品質向上を検討する際には凍結速度を見直す傾向が強い。しかしながら、冷凍野菜の品質は「素材の鮮度」や「冷凍前の加熱処理(ブランチング処理)」も関係する。 現在、市販されている主な冷凍野菜には、えだまめ、ほうれんそう、スイートコーン、かぼちゃなどさまざまあるが、このうち