寄生虫エキノコックスはどこから来たのか?~北海道への導入を遺伝学的に検証~(獣医学研究院 教授 野中成晃、准教授 中尾 亮) 2023年10月16日 ポイント ●北海道のエキノコックス(多包条虫)の起源に関する仮説を遺伝学的に検証。 ●人為的な動物の移動がエキノコックスの拡散・導入に関与してきたことを示唆。 ●国内外における、エキノコックスの将来的な拡散防止に期待。 概要 北海道大学大学院獣医学研究院の野中成晃教授、中尾 亮准教授らの研究グループは北海道のエキノコックス(多包条虫、Echinococcus multilocularis)の由来を遺伝学的に検証し、北海道のエキノコックスが3,000 km以上離れたアラスカのセントローレンス島に起源をもつ可能性を示しました。 エキノコックスはヒトに感染して重篤な疾患を起こす寄生虫で、現在は道内に広く分布し、深刻な健康被害をもたらしていますが、本
「草」と「木」の境目はどこ?~力学のレンズを通して、植物の新しい分類方法を発見~(工学研究院 教授 佐藤太裕) 2023年10月10日 ポイント ●草と木の体を支える仕組みの違いに基づく、植物の明快で新しい分類方法を開発。 ●内部水分による圧力を考慮した計算モデルを導入し、到達可能な最大高さを初めて定式化。 ●「材質や形状による固有の硬さ」と「水分による疑似的な硬さ」の力学的な分離に成功。 概要 北海道大学大学院工学院博士後期課程の金浜瞳也氏と同大学院工学研究院の佐藤太裕教授の研究グループは、草と木の体を支える仕組みの違いに基づく、明快で新しい植物の分類則を発見しました。 研究グループは、細く柔らかい体を有する草をはじめとする「草本植物」が、光合成に必要な高さまで自立した状態を保ちつつ成長できることに着目しました。そして、この仕組みを力学的に明らかにすることは、細く柔らかい体で重力にうまく
2023年2月9日 北海道大学 北海道立総合研究機構 ポイント ●理論・実証分析の双方から、河川における放流が魚類群集に与える影響を検証。 ●放流は種内・種間競争の激化を促し、多くの場合で群集構成種を長期的に減らすことを解明。 ●魚類資源の回復には、河川等の生息環境の改善等の別の抜本的対策が求められることを示唆。 概要 北海道大学大学院地球環境科学研究院の先崎理之助教は、ノースカロライナ大学グリーンズボロ校の照井 慧助教、北海道立総合研究機構の卜部浩一研究主幹、国立極地研究所(当時)の西沢文吾氏と共同で、魚のふ化放流は多くの場合で放流対象種を増やす効果はなく、その種を含む生物群集を減らすことを明らかにしました。 飼育下で繁殖させた在来種を野外に放す試みは、野外個体群の増強を目的として様々な動植物で行われています。特に、漁業対象種のふ化放流は、国内外に広く普及しています。一方、こうした放流で
植物の成長を促す塗布型の光波長変換透明フィルムを開発~次世代農林水産工学への応用展開に期待~(工学研究院 教授 長谷川靖哉) 2022年10月27日 ポイント ●紫外線を赤色光へ効率的に変換する塗布型の光波長変換透明フィルムを開発。 ●野菜や樹木の成長促進効果の実証実験に成功。 ●農林水産業を加速化する次世代の光テクノロジーへ期待。 概要 北海道大学大学院工学研究院の長谷川靖哉教授、同大学創成研究機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)の庄司 淳特任助教、同大学大学院農学研究院の鈴木 卓教授及び斎藤秀之講師らの研究グループは、塗布可能な光波長変換材料で透明フィルムを開発し、その植物の成長促進効果を実証することに世界で初めて成功しました。 植物の成長には光が必要であり、葉緑素が吸収する赤色の光を効果的に利用することが知られています。一方、紫外線は多くの生物にとってダメージとなることも
この度,本学のリスト・ベンジャミン氏がノーベル化学賞を受賞しました。 同氏は,2018年から本学の化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD(アイクレッド))の主任研究者として,有機触媒を用いた新規反応開発に係る研究に取り組んでおり,2020年5月からは特任教授としても在籍しています。 受賞に際して,本学関係者からのコメントをお届けします。 総長 寳金 清博 本学は,文部科学省の事業「世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)」に2018年に採択され,化学反応創成研究拠点(ICReDD)を同年10月に設立しました。 ICReDDは,第一線の研究者を世界から多数集め,優れた研究環境ときわめて高い研究水準を誇る世界から目に見える研究拠点として活動しています。 世界的なネットワークの中で研究しているICReDDにおいて,ノーベル賞受賞者が出たことは大変光栄です。 今後も,こういった研究ネットワ
北海道におけるエゾウイルス熱を発見~マダニが媒介する新たなウイルス感染症~(人獣共通感染症国際共同研究所 講師 松野啓太) 2021年9月22日 北海道大学 長崎大学 酪農学園大学 北海道医療大学 ポイント ●マダニが媒介する新たなウイルス感染症,エゾウイルス熱を発見。 ●2014年以降,少なくとも7名の感染者が北海道内で発生していることが判明。 ●マダニや野生動物にもエゾウイルスが感染しており,北海道内に定着している可能性を示唆。 概要 北海道大学人獣共通感染症国際共同研究所の松野啓太講師らの研究グループは,同大学院獣医学研究院,同大学ワンヘルスリサーチセンター,市立札幌病院,北海道立衛生研究所,国立感染症研究所,長崎大学,酪農学園大学,北海道医療大学らと共同で,発熱や筋肉痛などを主徴とする感染症の原因となる新しいウイルスを発見し,このウイルスをエゾウイルスと命名しました。エゾウイルスは
「幻の魚」イトウの生息域を最新技術ではじめて解明~希少種分布の網羅的把握と生息環境の限定要因解明への貢献に期待~(農学研究院 教授 荒木仁志) 2020年11月6日 ポイント ●生態学の最新技術である環境DNA解析を駆使して絶滅危惧種イトウの生息域推定に成功。 ●北海道内の120河川中,7河川でイトウ分布の証拠となるDNAを検出。 ●捕獲や目視に頼らず,環境DNA検出による希少生物の分布や生息環境の解明に期待。 概要 北海道大学大学院農学研究院の荒木仁志教授らの研究グループは,生態・分布に謎が多く「幻の魚」とも呼ばれる絶滅危惧種イトウの生息域解明のため,環境DNA解析と呼ばれる最新技術を駆使した研究を行ってきました。その結果,川の水からイトウ由来のDNAを検出することで,対象種に触れることなく自然河川での生物量や生息環境を北海道内で網羅的に推定することに成功しました。 研究グループではイト
作物残留農薬の事例による リスク・コミュニケーション 改善のための新モデル構築 ―リスク・アセスメント/マネージメント 乖離モデル 小川晴也 A New Model Construction to Improve Risk Communication by the Case Study of Residual Pesticides in Agricultural Commodities. Risk Assessment-Management Discrepancy Model OGAWA Haruya 小 川 晴 也 OGAWA Haruya abstract The aim of this paper is to propose a new model to improve risk communication. Precedent studies revealed that "
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