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ブックマーク / agora-web.jp (31)

  • もしソフトバンクがNTTを買収したら - 池田信夫

    きのう磯崎さんとツイッターで議論したことを整理して、超簡単にシミュレーションしてみます。私の論旨は、NTTの構造分離(1社独占)よりも政府が持株をすべて売却してNTTを完全民営化し、ソフトバンクがLBOでNTTグループを買収してはどうかというものです。もちろん、こんな巨大買収は容易なことではないので、これは頭の体操だと思ってください。 NTTの時価総額は約6兆円だから、プレミアムがつくと7~8兆円の日史上最大の企業買収になるでしょう。しかし世界のM&Aの中では、ボーダフォン=マンネスマンやAOL=タイム・ワーナーなど、10兆円を超えるディールもあり、兆円単位の買収は通信業界では珍しいことではありません。ソフトバンクの時価総額が2兆3000億円だから、バランスとしてもそれほど悪くない。 もちろん従業員20万人のNTTグループを経営することはむずかしいので、時価総額6兆円のドコモだけを残して

    もしソフトバンクがNTTを買収したら - 池田信夫
  • NTTの「構造分離」について - 池田信夫

    NTTの再編について、タスクフォースが「1年先送り」を決めたら原口総務相が「先送りしている余裕はない」とのべた。大臣就任のときには(おそらくNTT労組出身の内藤副大臣の影響で)「NTT再編なんて2周遅れの議論だ」といっていた彼が、この問題に真剣に取り組むのはけっこうなことだが、総務省の官僚でも若い人は、これがいかに複雑で厄介な問題かを知らないようだ。四半世紀にわたってこの問題とつきあってきた私としては、同じ失敗を繰り返してほしくないので、基的な事項を確認しておく。 1984年に電気通信事業法ができて、翌年4月にNTTが民間企業としてスタートしたとき、最大の争点は経営形態だった。中曽根政権の第二臨調では、電電公社の分割・民営化が答申に明記されたが、電電公社は労使ともに反対し、最終的に分割を先送りして民営化をのむという全電通の方針によって決着した。 当時、私は真藤社長と山岸委員長に半年つきあ

    NTTの「構造分離」について - 池田信夫
  • ソーシャルウェブを永久に変える iPhoneとFacebookの連携 - 渡部薫

    AppleとFacebookの最強タッグが誕生するかも?という情報:iPhone OSにFacebookをビルトイン という衝撃的なニュースがTweetされてきた。 AppleとFacebookが組むのは、どうやらほぼ確実な情報のようだ。これで携帯電話事業者(キャリア)は、もうAppleとFacebookにウェブで勝つことはできないだろう。そのくらいこの提携の意義は大きいのだ。 今年はこれ以上の衝撃的なニュースは、次期iPhoneくらいしかないな。このニュースを向こう100年のソーシャルウェブをすべて変えてしまった記念すべき瞬間にしよう。 携帯電話の電話帳は、個人情報という意味でも、キャリアが持っている情報の中で最も重要なものだった。キャリアはその情報を端末のデータとして扱い、ユーザの所有物としていた。その結果、キャリアはこの貴重な人と人のつながりの情報を活用することができなかった。 キャ

    ソーシャルウェブを永久に変える iPhoneとFacebookの連携 - 渡部薫
  • 世界の携帯通信事業者による「API統一」への動き - 松本徹三

    この原稿は、WAC(Wholesale Application Community)という、世界の携帯通信事業者が新たに生み出した組織の会合が行われたフランクフルトから送っています。このWACという組織には、世界の主要な事業者の殆どが加入する筈ですが、現時点では、欧米日の事業者7社で構成するSteering Committeeが、その運営計画の骨子を固めるために日夜協議を続けているところです。この7社のうちの2社はソフトバンクとドコモです。 最近、突然「SIMロックの解除」という言葉が脚光を浴び、多くの議論がなされていることに違和感を持つ人達は多いでしょうが、これが2007年に一旦凍結された議論の解凍であるといわれると、それでは2007年の議論は何だったのかということを理解したいと思われるでしょう。従って、今日は、「SIMロックの解除」などという矮小な問題ではなく、「携帯端末向けの種々のデ

    世界の携帯通信事業者による「API統一」への動き - 松本徹三
  • 周波数政策と通信業界の競争戦略 ― 夏野剛

    慶應義塾大学政策・メディア研究科特別招聘教授 ある国の政策を考えるときにもっとも大事なことは、その政策がNational Benefit(国民利益)を生み出せるかどうかである。特に通信業界のような事業免許制の規制産業においては、政府がどのような政策をとるかによって、国民利益が大きく影響を受ける。 通常、産業の創生期には規制を強くして、揺籃期の企業を保護し、産業が立ち上がると競争を促進することで産業を成長させるというのが資主義社会での典型的な産業政策である。しかし日の場合、特に2000年代の10年間は、移動通信業界への規制がどんどん強化されてきた。 この背景には、政策と関係なくいろいろなイノベーションが起こり、いわば勝手に産業が成長したところへ、官僚が規制を強化することにより影響力を行使しようとしてきた過程があると言える。政府が2Gや3Gなどというネットワークインフラを中心とした政策論を

    周波数政策と通信業界の競争戦略 ― 夏野剛
  • 携帯電話におけるSIMロック論争 - 松本徹三

    今年の1月から半信半疑でTwitterをやり始めましたが、多くの人達と同様、やり始めると癖になり、その上、効能も大きいことが分かりました。実名でTweetしていますが、特に宣伝はしていないのに、3ヶ月を経ずしてFollowerは5,460人を超えました。140字の制限があるおかげで、メッセージがついつい長くなることへの自省が働く為、ちょっとした待ち時間を利用しての、自分なりの「気晴らし」にもなっています。 しかし、軽く書いたコメントに賛否両論が生じ、文字数を気にせずに詳しく説明をせねばならなくなる羽目になることもあります。いや、もう少し前向きに考えるなら、即座に反論がきたり、これまで盲点になっていたことを教えられたりするので、Blogレベルで筋道を立てた議論をする為の「良い刺激」にもなります。 そういうわけで、今回は、携帯通信事業会社に勤務している私の専門分野について、アゴラの場を借りて、

    携帯電話におけるSIMロック論争 - 松本徹三
  • アゴラ : イマドキの起業のしかた - 渡部薫

    僕は自称、ベンチャー起業家。これまでに10社くらいは起業し、直接、間接合わせて40億円ほど資金調達して、自分の手金を投資したことがあっても、借金してまで起業したことはないし、保証人になったこともない。見方にもよるだろうがまだ成功はしていないが(苦笑)、リスクの割には大きな失敗もしていない。 そんな僕がここ1、2年で明らかに起業のスタイルが変わったと感じることがあり、起業を志している人の役に立てばと思いそのノウハウとイマドキの起業法を伝授したい。 まず心構えから。おいおい精神論からかよ、と思うかもしれないが、、、 ■心構え 1. 起業は怖くない リスクは避けるものではなくヘッジするもの。自分の許容できるリスクの範囲をきちんと見定めること。最大のリスクは恐れるという心の弱さのことなのだ。恐れるということを恐れよ! 2. 安定基盤を捨てなくても起業はできる。 サラリーマン諸君に言いたい。辞めると

    アゴラ : イマドキの起業のしかた - 渡部薫
  • 株価が予言する民主党政権の未来

    某米系投資銀行勤務/藤沢数希 2009年8月30日衆院選、自民党歴史的な惨敗により戦後初の格的な政権交代が起こった。鳩山由紀夫率いる民主党政権が生まれたのだ。「アメリカ型の『市場原理主義』は崩壊した」と世界同時金融危機を総括した鳩山首相は、経済成長を最重視した小泉・竹中の構造改革でボロボロになった日経済を立て直すため、「友愛」により新しい経済システムの構築を目指すと宣言した。競争より平等、成長より分配を重視し、経済合理性にこだわらず社会に友愛精神を醸成し当に豊かな日を創っていくことを目指す民主党政権がここに誕生したのである。 政権発足後まだ3ヶ月であるが鳩山由紀夫率いる民主党政権は矢継ぎ早にさまざまな政策を実施している。 郵政再国有化。政権の重要ポストへの官僚登用。社内失業者への補助金延長による失業率を抑える労働政策。事業仕分けによる次世代スーパーコンピュータ開発プロジェクトの廃

    株価が予言する民主党政権の未来
  • 「紙のお金が無くなる日」は来るのか?

    池田信夫さんが書いた「デノミのすすめ」で、デノミとともに貨幣を電子マネーだけにして現金を廃止する提案が行われている。(ただし、文章の最後に隠し文字で「冗談」である旨が書かれているので、ご注意。) ツイッターでもこの記事にコメントさせていただいたのだが、140文字の制限の中で説明するにはややこしすぎるし、「磯崎さんの提案の変形版だ」と書かれているので、誤解が無いように補足をしておきたい。 この「全貨幣を電子マネー化したらどうなるか」という思考実験をすることは、「お金」とは何か、「資主義経済」とは何かを考えるのに非常に有用な教材になると考えられるので、単なる冗談として笑い飛ばしてしまうには惜しい。 確かに、日ほど「電子マネー」が普及している国はなさそうなので、世界で最も先に貨幣がすべて電子化されるのが日になっても不思議ではない気がする。 しかし結論的に言えば、10年後に「紙の新聞」が無く

    「紙のお金が無くなる日」は来るのか?
  • 日本の情報通信産業を強くする為にはNTTの分割は不可欠 - 松本徹三

    「情報通信産業を強くすることが、日の将来の発展の為に不可欠」ということは、どうやら誰にも異論のないコンセンサスのようです。従って、「日の情報通信産業全体にとって一つの大きな存在であるNTTの在り方について議論する時にも、先ずはこの観点から議論するべきであり、『とにかく大きすぎるから分割しろ』等というのはおかしい」という原口総務大臣などのご見解にも、私としては、全く異論はありません。 しかし、「当に日の情報通信産業を強くしたいのであれば、NTTの現在の組織を変えることは不可欠である」ことも、先ず間違いはないように思えます。理詰めに考えていくと、どうしてもそういう結論になってしまうので、これは悪しからずご理解頂くしかありません。それが何故かについては、以下にその根拠を申し上げますので、よろしくご検討下さい。 その「第一の根拠」は、「技術開発力」の問題です。 10年前のNTT分割論議の際

    日本の情報通信産業を強くする為にはNTTの分割は不可欠 - 松本徹三
  • アゴラ : 目に余るNTTグループの独占回帰への試み - 松本徹三

    私には個人的に尊敬する人や親しい人がNTTグループの中にたくさんいます。また、私が現在勤務しているソフトバンクにとっては、NTTグループの各社は、一面熾烈な競争相手であると同時に、一面では多くの点で協調すべきパートナーであったり、接続先であったりします。従って、下記のようなことを正面だって言うのは、来は心苦しいのですが、やはりこれだけは言っておかなければならないと思います。 NTTドコモの新入社員の入社式にNTT持ち株会社の三浦社長が出席され、その訓示の中で、「NTTドコモに入社されたあなた方は、NTTに入社されたのと同じ事」という趣旨のことをおっしゃられたとの事です。私は勿論その入社式に出たわけではなく、人伝に聞いたことに過ぎないので、詳しいニュアンスまでは分りませんが、そのことを聞いて、私は飛び上がるほどに驚きました。これは、「NTT分割」が求めたものの公然たる全否定に他ならないから

    アゴラ : 目に余るNTTグループの独占回帰への試み - 松本徹三