1972年浙江省温州市生まれで、英国オックスフォード大学の社会人類学の元教授で、現在ドイツのマックス・プランク社会人類学研究所員である項飆(シャン・ビャオ)。気鋭の人類学者である彼が、不景気のなかにある現代の中国の若者たちが何を考えているのか、また、今後の中国にどのような影響を与えるのかを語る。 ──中国の若者は景気後退にどのような影響を受けているのでしょうか? 若者たちは高齢者に比べてはるかに大きな影響を受けています。高齢者たちは過去40年間の高度成長の恩恵を受け、貯蓄や不動産を持っているような人々です。 一方、いまの新卒の若者たちは、将来に大きな期待を持って育った世代です。彼らにとって現実とのギャップは非常に厳しい。仕事もキャリアアップの機会も少ない。また、就職できたとしても、IT業界のように、企業は激しい競争を繰り広げているため、条件がより厳しくなっているのです。 もちろん、社会集団
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