オウム真理教事件と金正男暗殺を巡る深い闇 2017年2月13日、マレーシア・クアラルンプールで金正男氏が暗殺された、まさにその日、私は東京都内で某国のテロ対策官と食事をしていた。 事件の第一報が入る前、そのテロ対策官はこんな指摘をしていた。 「日本政府は、オウム真理教の科学者たちが蓄積した化学兵器製造技術のノウハウを、もっと厳重に管理すべきではないか」 その人物によると、1995年のオウム真理教のサリン事件は、世界で唯一の化学兵器テロの「成功例」だ。簡易装置でサリンやVXを精製する技術を欲しがるテロ組織は多いし、技術の流出、拡散は世界のインテリジェンス関係者はいまでも警戒している、とのことだった。 化学兵器を製造した理系信者たちの多くは、死刑判決を受けて、東京拘置所にいるのだから、外部に流出しようもないだろうと思ったのだが、このテロ対策官は実に興味深い指摘をした。 「東京拘置所では、条件を