今年8月に株式会社KADOKAWAが出版した小学生向けの学習教材である角川まんが学習シリーズ『日本の歴史』(全15巻)が累計発行部数で120万部を超える売れ行きとなっている。従来の学習漫画シリーズよりも小ぶりなサイズであることや、歴史の流れをつかむ「東大流」という最新の歴史教育メソッドを取り入れたことなどが好調の背景にあるようだ。なぜ今、学習漫画が注目を集めているのか。『歴史をつかむ技法』の著者で、同漫画を監修した東京大学史料 編纂 ( へんさん ) 所の山本博文教授と角川まんが学習シリーズの石井康予・編集長に聞いた。 ――学習まんがの中でも「日本の歴史」というのは以前からあったもの。なぜ改めて注目されていると思いますか。 石井康予・編集長)実は学習漫画を手がけたのはKADOKAWAとしては初めてでした。きっかけは、他社の学習漫画の「日本の歴史」シリーズが好調であるというのを受けたものです