現在、製造業では「中国離れ」もあって国内回帰が促され、サービス輸出である訪日外国人によるインバウンド需要も大きく増えている。企業の価格競争力の高まりは、製造業に加えて観光サービスなどの国内企業にも広がっており、こうした状況が数年続けば経済成長率を長期的に高めるだろう。かつてアメリカの背中を追って経済成長していた40年前のような輝きを、日本経済が取り戻しても不思議ではない。 歴史を振り返ると、現在のように購買力平価対比で明らかに割安だった時期は1984年以来である。このときは1985年のプラザ合意前の1ドル=235円前後だったが、合意による円高を経て、1986年は1ドル=160円付近までに達する急激な円高が起きた。日本の製造業はプラザ合意後に価格競争力を失い、多くの製造業は海外現地への直接投資に活路を見出した。 足元の円安進行に過剰反応をすべきではないワケ そして、円高への対応として、当時の
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